徒然なるままに…なんてね。

思いつくまま、気の向くままの備忘録。
ほとんど…小説…だったりも…します。

セーラー服の夏…は…。

2007-04-30 16:20:00 | ひとりごと
 この地方でもブレザー&パンツorスカートを採用する高校がだんだん多くなってきて、詰襟・セーラー服は次第に減ってきているようだ。
中学校ではまだまだ後者の方が主流のようだが、それでもちらほらと変化が見え始めている…。

 doveの若かりし頃には詰襟・セーラー服の学校が圧倒的に多かったように思う…。
特に公立の普通学科ではほとんどがそうだった…。

 夏場になると男子生徒は白シャツ、女子生徒は白のセーラー服に変わる。
見た目は涼しげだが…実はめちゃくちゃ暑い…。
パンツもスカートも黒や濃紺…太陽の光を呼び込むのだ…。

今時と違って扇風機も冷房もない教室、下敷きが団扇代わりの汗だくの学校生活、水泳が唯一涼しい授業だった…。

 夏のセーラー服はわりと地が厚い…。 厚いわりには透ける…。
それはもう…背中にくっきりと…下に着ている物が浮かび上がる…。
その頃の中・高生用の下着は、ほとんどの場合白だから…それはもう見てくださいと言わんばかりの透けようだ…。

 学校というところは規則・規制が厳しい割りに、そういう面の配慮にはいささか欠けるところがある。
昨今では、メーカー側が下着のカラー・デザインを豊富に出しているので、透けて見えなかったり、見えてもお洒落っぽく感じられたり…単なる白とは大違いだ。
むしろ…見せる下着…なんかがあるそうで…。


 中学の頃、女子生徒の背中に浮かぶラインを眺めながら、男子生徒たちがニタニタ笑いで囁きあってるのを何度か目撃した…というよりは何故かその場に居たんだな…doveも…。

何笑ってんの…?

だって…ほら…と指で形をなぞるように示す…。
クスクス笑いながら…。

すけべだなぁ…。

見えるんだから仕方ねえだろ…。

仕方ねぇ…か…ふうん…。

そう…見えちゃうもんは…見たって仕方ねぇ…ってわけで…。
うひひひ…なぁ…?

なぁ…と言われてもなぁ…知らんわ…。

 当時の男子中学生の中にはそんな他愛のないことで喜んでいるやつがいた。
今でも…そうなんだろうかな…。

そう言やぁ…子供たちが笑ってたなぁ…。

○○の胸…マジやべぇの…走ると揺れんの…。

そんなことを言ってる同級生が居るって…。
あんまり…あの頃と変わってないんだなぁ…。
何か…妙に安心する…よ。


 夏のセーラー服の女学生っていうのは…見ている分には楚々としていい雰囲気なんだ…。
涼しげで…ね。
白いセーラー服の女子学生を見ると…もう夏なんだなぁ…と感じる…。
季節感があるんだよ…。
 
 だんだん消えていくんだろうなぁ…。
あんまり機能的じゃないからね。
doveの孫の代には…セーラー服が過去の遺物になってたりして…。

そのうちコスプレでしか…お目にかかれなくなるのかも…。

そいつは…暑苦しいや…。



 





今日の一品…鶏と海老のキムチスープ…dove風…。

2007-04-29 16:08:00 | 簡単手抜き料理
 キムチが大好きで頻繁に買うけれど、選んだ白菜の房が大きめだと、食べきる前に酸味が出てきてしまうことがある。
特にこれから先の時期…夏場…。

酸っぱくなったキムチの利用法はいくつかあるけど、豚とキムチの炒めものなんかが一般的かも知れないね。

油で炒めると醗酵による酸味が弱まるんだって…。
韓国食材店のお姉さんが教えてくれた。

冬だと海鮮キムチ鍋かな…。
豚とキムチのスープもなかなかいけるよね…。

 doveは納豆にキムチを混ぜ入れて食べるのが好き。
納豆のねばねばでキムチの辛さがとてもマイルドになるので、白い御飯にたっぷりとかけて食べても、それほど辛さは感じない…。
納豆とキムチの好きな人は試してみて…。

 さて…今日は海老と鶏を使ったキムチスープ…。
パクチー(香菜)とナムプラーを使い、好みでレモン汁を加えたもの…。
韓国風というよりはタイ風の味といった感じかなぁ…。

 好みで…だから…レモンはどちらでもいいけれど…入れると入れないではまったく風味が変わってくるよ…。
どちらも美味しいから…気に入ったら二種類のスープとして…その時の好みに応じて利用してね…。

 そうは言ってもdoveはタイ料理…ほとんど知らないし…。
フォーとトム・ヤム・クンと生春巻き…くらいかなぁ…知ってるのは…。
(訂正…日本で知られているフォーと生春巻きはベトナムです。 大間違いでした。 ごめんなさいね~!
ちなみに夢子さんに訊いた所によると、タイにも生春巻きはあるそうです。
フォーに似た麺も名前が違うけどあるみたいですよ。)

…タイ料理なら…ブログのお友だち…夢子さんに聞いた方が確かだな…。

やっぱり…dove風としておこう…。
誰かの希望があれば…レシピはコメントでUPするからね…。

さっぱりとした鶏と海老のキムチスープ…お試しあれ…。









夏の制服…。

2007-04-28 22:26:02 | ひとりごと
 今日は子供の夏の制服を買いに出掛けました。
連休の初日ということもあって道路も町もなかなかに混んでいました。

 縁日やお祭りは大好きですが…デパートや繁華街の混雑は苦手です。
普段、あまり中心部へは出て行かないので、町中でもわりと静かに暮らしていますが、その分、出掛ければ人酔いするので思いっきり疲れます…。
ショッピングが嫌いというわけではないのですが…。

 制服売り場は入学準備の時よりもかなり縮小されていて、もうすぐ夏服という時期にも関わらず客が少なくて静かでした。

 それでも、ぱらぱらとでも客はやって来て、配置されている店員さんが2~3人しか居ないために手が足りず、客数のわりには、まるで、繁忙時期のような状態…。

 制服販売はサイズ計測をしなくてはならないために、どうしてもひとりの客に対してひとりの店員がかかりっきりになります。
担当が3人なら3人の客の面倒しか看られないわけで…しかもひとりひとりにかかる時間が結構長い…。

 やがて…待ってる客がひとり増えふたり増え…全体の責任者が状況を見に来て慌てて制服売り場の配置人員を増やしておりました…。
どうやら…今日の客足は担当者の予測を超えていたようですね…。

 今日…購入して手元に届くのが5月20日…。
22日間かかる…長い! 驚きです…! 

 入学準備の冬服の時は二週間程度でしたが…それでも長いと感じました…。
それをはるかに上回っています…。

 連休ということもあって、おそらく、縫製する会社が休みになるんでしょう…。
ひょっとしたら…連休後に頼んでも届くのは同じ頃なのかもしれない…。
そんなふうに思いました…。

 待ち時間の間に子供たちが、doveの母校の制服を見つけました…。
doveはそれが母校の制服であることにまったく気付きませんでした…。
なぜなら…まるっきりデザインが変わってしまっていたからです…。

 その制服はdoveにとっては…別の学校の制服のように感じられ…とても母校のものとは思えませんでした…。
高校時代…決して好きなデザインの制服ではなかったけれど…高校の思い出はやはり制服とともにあります…。
新しいデザインの制服を見ても…思い出すものは何もありません…。

少しばかり…溜息をついた…今日のdoveでした…。 

 

 

今日の一品…焼豚(叉焼)…dove風…。

2007-04-27 17:27:17 | 簡単手抜き料理
焼豚…お好きですか…?
専門店で叉焼麺などを召し上がる方は多いかも知れませんが…ご家庭では如何でしょうか…? 
                       
                                  
                           
焼豚はラーメンなど麺類の具にもいいし…チャーハンの具にしても美味しいですよね…。                         
スーパーに並んでいるパック詰めの焼豚は、ハムを甘辛く味付けしたような感じで、doveが子供の頃に食べた肉屋さんの特製焼豚とはまったく異なります。

昔の味に近いようなものはお値段も結構高くて…ラーメンの具にはちょっと勿体無いかな…。
ひとり分ならともかく家族分となると躊躇います。
甘辛のハムみたいな焼豚を買うのは…もっと躊躇います。

それじゃ作っちゃえ…というわけで…昔ながらの焼豚が食べたくて作り始めてから十六年になります。

画像の焼豚はラーメンや炒飯・炒め物の具(下の画像は使用例)にするもの…で脂身の多い三枚肉(バラ肉)を使っていますが、ほどよく脂の乗ったロースかもも肉が手に入れば、そのまま主菜や肴にできます…。 
勿論…脂を気にしない方は三枚肉の方でもそのまま食べていただいて構いません。

この頃、健康志向が強くなったためか、ロースやもも肉の塊から脂身が全部取り除かれているので…焼豚にはちょっと味気ない…。
値段も高いですね。

単純な料理なので誰でも簡単に作れますが時間だけはちょっとかかります。
焦げないように気をつけていれば、出来上がるまで他ごとをしていればいいので、さほど問題はありません…。

ロースやもも肉で作れば、お持て成し料理としても遜色ないと思いますよ。
ご希望があれば…レシピはコメントで…。

簡単…焼豚…お試しあれ…。



月下美人…香り漂う夜の闇…。

2007-04-26 15:28:00 | ひとりごと
 これは…doveんちで栽培している月下美人の花です。
7年程前に知り合いから貰った葉っぱ一枚をガラス瓶で培養し、誕生したクローンが三年目くらいに一番目の花を咲かせ、以来、毎年というわけではありませんがひとつふたつと花をつけてくれます…。

 花芽自体は毎年つくのですが、我が家の月下美人の花芽は刺激に弱いらしく、すぐに落ちてしまうので、実際に開花する花の数は限られていています。
多分…植物音痴のdoveの世話がいい加減なせいでしょう…。

 花芽が膨らんでくるともうワクワク…。
ここでは秋から冬の夜に咲くことが多いので、霜枯れしないように鉢を室内に入れてありますが、開花の夜には何とも言えない芳香が家の中を漂います。

 最初に咲いた時には何の香りか分からず、匂いの元を探し回りました。
夜の闇の中に真っ白い花が浮かび上がり、漂う芳香の中で、それはもう夢心地…。
その美しさは筆舌に尽くし難く…最高の気分です…。

 昨日…初代が窮屈そうだったので鉢を大きいものに換えてやりました。
二代目の鉢も少し大きくして、三代目はまだ瓶の中にいます。
そろそろ鉢に移さなきゃいけないんですが…。

 月下美人は強いので、瓶でわざわざ培養しなくても、直接、葉っぱを土にさしておくだけで根がつきますが、瓶で培養すると成長過程を肉眼で見ることができます…。
せっかくですから自然界の魔法を、十二分に楽しみたいじゃありませんか…。

 科学的なことはさっぱり分からないけれど、こうして現象だけを見ているのもすごく面白くて、面倒だけどやめられないんですね…。
考えてみれば…この花たちは…植物音痴のdoveによく付き合ってくれてると思いますよ…。

 サボテンでさえ上手く育たないのに…。
サボテン好きなんですけど…何鉢だめにしたことか…。
 今はミニサイズひと鉢だけ…相性が悪いのかなぁ…。
普通…サボテンで失敗する人は居ないようなんですが…。

う~ん…。
doveが作りだしたクローンは生まれながらにdoveの与える悪環境に耐えうる力を持っているんでしょうか…。

単に…慣れちゃっただけかも知れないけど…。

それも…進化…なんですかね…?








続・現世太極伝(第百十九話 避けられない…!)

2007-04-25 17:10:00 | 夢の中のお話 『続・現世太極伝』
 壁際に置かれた深めの椅子にゆったりと身を沈め…西沢は仲根と和やかに談笑していた…。
不機嫌な様子は見られない…。
松村は少し安堵した…。

すでにモデルとしては一線を退いているとはいえ…西沢は今でも十分に商品価値のある男だ…。
ここで降りられては困る…。
滝川のためにも…このスタジオのためにも…。

 「申しわけありません…。 滝川先生…まだ部屋に籠もったまんまで…。 」

どうぞ…と…西沢の脇の簡易テーブルの上に運んできたコーヒーを置きながら…松村は言った…。

 「僕の未熟な演出じゃ…先生…馬鹿馬鹿しくって撮る気にならないんでしょうか…?
ずっと先生を見てきたから…少しは先生のこと…分かっているつもりだったのに…。 」

松村は情けなさそうに溜息をついた。

西沢は軽く笑みを浮かべた。

 「松ちゃんのせいじゃないよ…。 仕方のないことさ…。
いくら長年一緒に仕事していても…松ちゃんと恭介じゃまったく視点が異なる…。
松ちゃんが恭介の好みを真似てセットや構図を考えても…それは恭介の思うものとは別ものなんだ…。 」

そう言いながら仲根の方へチラッと眼を向けた。

 「つまり…僕の目を通して見る被写体も同じことなんですね…?
滝川先生がご自身でご覧になったものではないから…。 」

 それでか…納得したように仲根は頷いた…。
思えば…訓練中も…滝川はあまり撮影に乗り気な様子ではなかった…。
滝川の見たいものと仲根の眼の捉えるものが一致していなかったのだろう…。

何か…お役に立てなくて…と仲根は詫びた…。

 「僕が頼んだことだから…いいんだ…それは…。
恭介の脳に刺激は行ってる筈だし…まだ効果が現われていないだけのことさ…。
これだけ力になって貰って…申しわけないのはこちらの方だ…。 」

恐縮する仲根に西沢は謝意を表した…。

 「まぁ…恭介のことは置いといて…松ちゃんがこうと思う写真を撮ればいいよ…。
松ちゃんにはそれだけの力があるし…恭介もそれを望んでいるはずさ…。 」

少しばかり寂しそうに西沢は視線を落とした。

 それじゃぁ意味がないんだ…と松村は思った…。
自分のためなら違うセットで…違う写真を撮る…違うテーマで…。
そう思った自分に愕然とした…。

ひょっとして…先生も…そう感じているのだろうか…?

 「もう少し…待ってください…。
先生が…答えを出すまで…。 」

松村は縋るような声で…そう西沢に頼んだ…。



 この宇宙の意思…。
馬鹿なことを…と声の主マーキスは思った。

宇宙に意思などあるわけがない…。
宇宙は…ただそこに存在するだけのもの…。

 「おまえも…紫苑とエナジーとの戦いを見ていたのだろう…?
ほとんどの能力者が見ているはずのものだから…。
あのエナジーはこの宇宙を創り出したものたちだ…。
意思を持つエナジー…僕等はそう呼んでいる…。 」

マーキスの喉がごくりと鳴った。

意思を持つ…エナジー…。
あのエナジーは能力者たちが作り出したものではないというのか…。

 「おまえの仲間は…あちらこちらの国の中枢に勝手に入り込んでは要らぬ世話焼きをしているようだが…忌々しきことだ…。
この宇宙の意に反するようなことをすれば…紫苑がせっかく命懸けで護った人類の存続を再び危機に陥らせることになる…。 」

 滝川の耳に…マーキスの心臓の音が聴こえた…。
鼓動が次第に激しさを増してくる…。

こんなとこで暴れられたら…大惨事だ…。

 松村は同族だが、武井や他のスタッフは能力者ではない。
自ら危険を察知して身を守ることなどできはしない…。
西沢や仲根が気付いてどうにか対処してはくれるだろうが…。

 その上…街中だけに隣近所の建物との間もそれほど離れているわけではない。
マーキスが事を起こせば、スタジオだけではなく周辺の建物にも被害は及ぶ…。
滝川には巨大な防御空間は作れない…。

 「まだ…何か…訊きたいことでもあるのか…? 」

できる限り感情を抑えた声で滝川は訊ねた。

 「僕は…なぜ…生かされているんだ…? 
特に拘束するわけでもなく…まるで留学生のように扱って…。
おまえたちは僕に…何をさせるつもりなんだ…? 」

 そいつは…最もな疑問だな…と滝川は思った。
眼の前で首座兄弟が命を落としたのだ。
自分も殺されるはずだと考えても不思議はない…。

 「残念ながら…そのことについては…僕にも分からない…。
決定を下したのは執行部の連中だ…。
僕等にとっても雲の上のお方たち…僕等はそれに従うまでさ…。

 ただ…この先も…意味なくお前を殺すようなことはしないだろう…。
そのことだけは確かだ…。 
尤も…おまえが再び暴れだせば…どうなるかは知らんが…。 」

 そのくらい…庭田の智明に訊けば済むことじゃないか…と滝川は訝った。
わざわざ滝川のスタジオに出向いて来る真意を測りかねた…。

 「HISTORIANは…確かに世界中に居る…。 
それは…遺伝子の中に組み込まれたふたつのプログラムがすべての人間に存在するからに他ならない…。
HISTORIANが雑多な人種から成る組織であるのはそのためだ…。 」

マーキスの身体がオーラを纏い始める…。

どうやら…遊びに来たわけではなさそうだ…。

気が次第に高揚してくる…。

 「異なる民族がひとつになるためには…目指すべき道が要るのだ…。
我々にとって…それは…この国を手に入れること…。
はるか超太古の時代に…手に入れられるはずだった大陸への入り口…。 

おまえを消せば…西沢の中の魔物が再び眼を覚ますだろう…。
魔物に…この国を破壊させる…。

なあに…心配することはないさ…。
地球がぶっ飛ぶ前に宗主が…西沢を殺してくれるよ…。 

そうなりゃ魔物ともおさらばだ…。 」

愉快そうに声をあげてマーキスは笑った…。

マジかよ…。
このままじゃ…とんでもないことになる…。

 「紫苑が死んだところで…魔物は消えないぜ…。
おまえたちの知らないところで…新しいプログラムが組み込まれたんだ…。 」

新しい…プログラム…?

マーキスは眉を顰めた…。

馬鹿な…もう誰にも…そんな力はないはずだ…。
時の彼方に忘れ去られ…消滅してしまった力なのだから…。

 「それに…魔物の本体は負のエナジー…この世のあらゆるところに存在する…。
紫苑の中に居るのは…そのほんの一部…髪の毛一本にも満たない規模だ…。

 僕を消しても…紫苑を殺しても…何の意味もない…。
おまえの中にも…魔物は存在するのだから…。 」

今にも噴火しそうなマーキスに対して、滝川は可能な限り落ち着いた態度に出た。
相手はまだ子供…極力…戦いは避けなければならない…。
しかし…最悪の場合は…。

エナジー…エナジー…エナジー…いったい何だって言うんだ…!
そんなものに意思などあるわけがない…!

そう確信しながらも、マーキスの心のどこか奥底に取り除けない異物が残る…。

 「大義により…滝川恭介という封印を…破壊する…。 」

身に纏いつく不安を振り切るようにマーキスは言った…。



 少し前から頻繁に遠くを見るような目つきをする西沢…。
どこか近くで…異変が起き始めている…ことは仲根にも容易に察せられた…。

やがて漂い始めた不穏の気配に仲根は西沢の指示を仰いだ…。

スタッフを避難させといて…とりあえず…なんか着てくるからさ…!

 西沢が控え室に飛び込んでジッパーを引き上げている間に…仲根は松村を呼びに行き…スタッフを少しばかり早い昼食に出すようにと強く勧めた…。

 それほど力のある方ではない松村は西沢や仲根の唐突な行動に、瞬時戸惑ったが、それでもすぐに何事か起こりつつあると気付いた…。
思い思いの場所で待機していた武井やスタッフたちに…滝川先生が戻ったら知らせるからと…急ぎ休憩を言い渡して回った…。

問題は…行けと言っても居残る者が必ず居るということ…。

まぁ…今回は絶対数が少ないから…何とかなるでしょ…。

能力者じゃない者が同席しているという状況で…如何にも動きにくそうにしている仲根に…事も無げにそう言って西沢は笑った…。



 最初の一撃は…正面からまともに来た…。
直撃じゃなかったとしても…滝川としてはそれを避けるわけにはいかなかった…。
空間壁を作ることができない以上…マーキスの攻撃はすべて受けて消し飛ばすしかない…。

 マーキスの力ならこんなスタジオくらい簡単に吹き飛ばせる…。
そうなれば…現場に居るスタッフが無事では済まない…。
スタジオの近くに居る無関係な人々にもどれほどの被害を及ぼすかもしれない…。

 不幸中の幸い…今の滝川の眼は肉眼よりも素早く相手の動きを捉えられる…。
しかも有り難いことに…確実に滝川を狙ってくる…。

 少しでも傷つけないように…と考えれば…相手が疲れるのを待つしかないのだが…。
子供とは言っても13ほどにもなれば…結構…知恵が回る…。
こちらの思う通りに上手くことが運ぶかどうか…。

 按じた通りで…時を経ずしてマーキスは受けに徹している滝川の心を見透かすかのように…位置の定まらない変則的な攻撃を始めた…。

ごちゃごちゃと物の置いてある狭い部屋では動きが取れない。
どうしてもその場から…相手の攻撃を封じるしか手はないのだ…。

滝川が…足元に転がっている何かに気を取られた一瞬を…マーキスは見逃さなかった…。

 しまった…と思った瞬間…マーキスの放った衝撃波が滝川を捉えた…。
かろうじて踏み堪えた滝川に追い討ちをかけるように…強大な破壊力を持つ念の砲弾が向かってきた…。

避けられない…と直感した…。






次回へ

放浪犬…ルー子…。

2007-04-24 15:47:00 | 生き物
 丘陵地へ引っ越す前の実家は昔ながらの引き戸で、鍵はネジ式の旧型タイプだった…。
その頃は町中でも、まだそれほど治安が悪くなかったので、出かける時と寝る時以外、玄関に鍵なんぞかける家はほとんどなかった…。

 余所さまの玄関を自分で開けて…御免ください…などと家の人を呼ぶ光景は…そんな時代だから見られたのだろう…。
今なら…勝手に玄関の戸なんぞ開けようものなら後ろに手が回ってしまう…。

 家の中に居ても…必ず鍵をかけておかなければならない…。
物騒な世の中になったものだ…。

 思えば…わりと安全で…いい時代だったんだな…あの頃は…。
町の人の気持ちも…のんびりと…穏やかで…。


それでもさすがにあの時はドキッとした…。

 昼中…突然…ガラッと玄関の戸が開く…。
行ってみると誰もいない…。
そんなことが繰り返される…。

犯人は誰…? 悪戯…?

 いやいや…実は…迷い犬ルー子が…律儀にも通りすがりに挨拶していくのだ…。
少し前から町内を毛足の長い大きな洋犬がウロウロしていた…。
かなりのお婆さん犬で…元は高級犬だったんだろうに薄汚れてボロボロ状態…。

 それでもおとなしい犬だから近所の人たちも決してぼったりしなかった…。
どこの子だろう…と口々に噂をし合ってはいたけれど…。

 そのお婆さん犬が…あろうことか鼻黒の小屋を占拠した…。
このお婆さん犬…なかなか気が強くて…鼻黒に対してここは私の家よ…と宣言するではないか…。

 餌でおびき出して…何とか小屋から引っ張り出したが…それがきっかけでうちを親戚だとでも思ったのだろう…。
毎日…家の前を通りかかると…ガラッととを開けて挨拶していくようになったのだ…。

 うちではルー子とよんで…行くところが無ければ飼ってやるつもりでいた…。
ルー子というのは…当時放映されていたアンデルセンのアニメでルディ(アニメの製作者が勝手につけた名前)という名の子供が出ていたので…そこから取ったのだ…。

 ルー子が犯人だと分かるまでは…不思議現象だった…。
犯人と分かったら…なおさら不思議だった…。
犬が引き戸を開けるんだから…。

 引き戸を開ける猫は居るが…犬は聞いたことがない…。
カリカリやってたまたま開いてしまう…ことはあるが…。
片手(前足)で器用に…ガラッと開ける…。
ある意味…天才犬…。

 或る日…オカンが鼻黒に餌をやっているところを見て…ルー子が吼えた。
それまでだって餌をやっているところに出くわしてはいたが…吼えなかったのに…。

 しばらくして…フライパンを持っている時だけ吼える…ということをオカンが発見した。
どうやら…ルー子はフライパンでこさえた食事を貰っていたらしく…フライパンを見ると自分の御飯だと思うらしい…。
たまたま…オカンが鼻黒の餌をフライパンに入れて運んできたから誤解したのだ…。

きっと…可愛がられていたんだろうな…。
わざわざフライパンで御飯作って貰ってたんだから…。


 うちに居つけば…飼ってやるつもりだったのに…ルー子は突然姿を消した…。
風の噂で…隣町の交番に居る…と聞いたが…その先は分からなかった…。

ルー子が居なくなってからも…時折…ガラッと玄関の戸の開く音がする…。

それは…気のせいに…過ぎなかったのだけれど…。


 

 

またまた…餃子めっけ!

2007-04-23 17:25:49 | ひとりごと
行ってきましたよ~ゲンさん!

去年できた中国料理の福○さん…。
少し前に料理を食べに行ってとても美味しかったので、これは餃子もいけるかなっと思い…機会があったのでテイクアウトしました。

あっさりしたお味ですが、サイズはわりとでかい…。
これが六個で一人前…。
はっきりしたお値段忘れちゃったんですが…六人前で確か2千なんぼ…。
多分…400円強くらいのお値段だったと思います。

中身は挽肉とニラは分かるのですが…シャキシャキしたものがもうひとつ入っていて…この正体が謎…。
筍なのか何なのか…今度聞いてみよっと…。

タレはこれまで餃子では味わったことのない甘味の強いタレで…どちらかと言えば…馴染みのない味でした…。

doveとしては醤油ダレの方が好きだけど…人それぞれ好みがあるし…何と言っても餃子本体は美味しかった。
これならまた買おうかな…と思うくらい…。

惜しいのはテイクアウトだから焼きたてのぱりぱり感がなかったってこと…。
今度は店で食べてみようと思っています。

ちなみに、この店のエビチリはとても美味しい。
唐揚げもその他のコース料理もボリューム・味ともに満足のいくものでした。
飲めないdoveたちには多かったから…飲む人には最適かも…。
デザートの杏仁豆腐もいい加減なものじゃなくて、ちゃんと杏仁の香りが利いていましたよ…。

料理人さんの苗字がゲ○さん…。
思わず…思い浮かべてしまいました。

ちょっと…この店のメニューを制覇してみたくなりました…。





妖し…夜桜…。

2007-04-22 17:14:00 | 短篇
 次は…○○に停車します…。
バスのアナウンスがうつろに響く…。
半分寝ぼけた頭で…ボタン押さなきゃと考える…。 
                        
                            

何とか乗り過ごさずにバスから降りて…欠伸しながらいつもの通りを渡る…。
家までの道程は僅かながら…なんとも重い足取り…。

夜の闇にぽっかり浮かぶ幾本もの夜桜…。
お帰り…お帰り…と口々に囁く…。

今年は…花見には行かなかった…。
満開の桜の下を潜りながらそう呟く…。

何故…何故来ないの…待っているのに…。

桜が甘い溜息をつく…。

そんな元気…ないんだ…。

相変わらず重い足取り…引き摺るように前へと進む…。

しばし歩き続けて…ふと見回す…。

家は…どこ…?

通りを渡って…桜の並木を…真っ直ぐに…それだけの道…。

家は…どこ…?

不意に吹き抜ける…一陣の風…。
はらはらと舞い散る…花弁の渦…。

ここよ…と招く…白き腕…。
乱れ狂う黒髪のところどころ…浮きつ沈みつ流れ往く花びら…。

笑み湛える紅の誘い…。
御簾の彼方に浮かぶ篝火…。
耳に微かな衣擦れの音…闇の帳を花の打つ音…。

待っているのに…。

裾…絡みつく花びらの雨…降りかかる薄紅の吐息…。

待っているのに…。


誰かが先に降車ボタンを押した…。
ブザー音が頭の芯に鳴り響く…。
半寝の心臓がドキッとする…。

何とか乗り過ごさずに…バスを降りた…。







これもクローンなのだ!

2007-04-21 15:24:00 | ひとりごと
 doveはここ7年程、月下美人を育てています。
今あるのは三株…すべてここで一枚の葉っぱから栽培したクローンです。
増やそうと思えばどんどん増えますが…そんなにも世話はできないので…。

 国内の月下美人はもともとは同一株から増やされたクローンが多かったのですが、最近では異種クローンも国内に増えてきたため、すべてが同じ株から増えたというわけではなくなったようです。

 その他にもポトスを挿し木してクローンを育てています。
これは11年程…三代目になりました。
ポトスは長生きで11年前に貰ったのがまだ生きています。
セーブして増やさないようにしています…。

 今年からはベンケイソウが仲間に加わりました。
子どもが卒業する前に理科の先生から貰った株からちぎれた葉っぱを使って、ただいまクローンを作って居る真っ最中です。

 分かりますか…?
ベンケイソウの葉っぱの下の方に芽が出てきてるのが…。
上の方にも小さな芽が出かかっています…。

 もう少し大きくなったら株を分けて、それぞれを別の鉢に植えます。
初代はすでに30cm程になっていますが…まだまだ育ちそうな勢いです。
この初代も先生が作ったクローンですから…実際には何代目になるのか分かりませんが…。

 月下美人のクローンが同一種ばかりの時には実をつけなかったため、種などで増えることがなく、クローンばかりだったようですが、最近では異種が入ってきたために実をつけるものもでてきたようです。
あまり詳しいことは知りませんが…。

 クローンといえば動物や細胞の増殖のことばかり考えていて…これもクローンなのだと気がついたのは最近…。
こんな身近なところにもあったんですね…実際には…。

 植物の挿し木や株分けなどは、相当昔から日常的に行われてきたのですから、クローンなんて言葉を知らないままに普通の人が科学的にはすごいことを何げなくやってきたわけです…。

そんなふうに考えると…なんだか…ワクワクします!