テムテムな日常

頑張れみんな!頑張れ自分!

介護職員の「質」と「量」

2006-04-12 | 介護職

にわかに現実味をおびてきた「フィリピン人介護福祉士・看護士」の受け入れ。新聞にも各誌連日のようにさまざまなコラムや評論、意見が載るようになってきました。

日本では、農村で「嫁」が不足すると「フィリピン妻」「中国妻」と、次々に途上国から「調達」してきて、今度は「介護職」が不足しているので再び「フィリピン介護職」をゲットしようとしているのですね

フィリピン妻の場合は「農家の嫁」、つまりあとつぎを産んで過酷な農家の仕事をしてくれる人材が必要だったために彼女達は日本に来たのでしょう。「労働力+セックス」というところでしょうか。

ではなぜ、日本の女性たちは「農家の嫁」になることを拒んだのか・・・答えは簡単です。「あとつぎを産んで過酷な農家の仕事をしたくない」からです。農家の母親たちも「嫁は欲しいが、自分の娘は農家の嫁になって欲しくない」と。(故中島らも氏のエッセイにもこんな話がありましたね)

それではなぜ今「フィリピン介護職」なんでしょうか。まず日本では少子高齢化が進み、介護職員の数が絶対的に不足しています。安い人件費で雇える外国人労働者は、雇うほうにも雇われるほうにもメリットがあります。何不自由なく大人になり、福祉に目覚め介護職を選んでも、仕事のキツさ、労働条件の悪さに辞めてしまう職員が多い日本の介護職事情より、格段に「おいしい話」ではないですか。

「言葉もろくに通じない外国人、しかも途上国の人間になんか世話を任せられないという人もいるでしょう。現実をご存知ないのですね。介護職員の平均賃金を知っていますか。今の日本は、そんな悠長なことを言っていられる場合ではないのですよ。現に介護保険だってどんどん値上がりしているじゃないですか。そしてその介護保険だって・・・いつ破綻してもおかしくないほどの状況なんです。施設に入所している場合の負担額の上昇率を見ても分かることです。

だからどんどん「外国人労働者」を受け入れてください。介護職員、看護職員、医師や薬剤師、どんどん受け入れてください。能力のある人物はどんどん安い給料で雇ってください。そして文句ばかり言う甘ったれ日本人なんか、じゃんじゃん切っちゃってください。

日本は基本的に「勝ち組」が優先される国です。強者に媚び、弱者に驕る国です。現に今日本を支えている(気でいる)偉い人達は他人を追い越し蹴落とし今の地位を手にいれた人たちです。虐げられる痛みを知らないから平気で弱者を切り捨てられるのです。利益を追求することに命をかけ、そのためには人間らしい心を失っても平気な人たちです。

そんな人たちは、年をとって自分のことがままならなくなったときに初めて自分の「孤独」に気がつくのです。そのときにそれこそ「言葉もろくに通じない外国人、しかも途上国の人間になんか世話を任せられない」なんて言っても遅いのです。目先の利益ばかり追求してきた罰なのですから。

・・・っと、今日は辛口でしたね。個人的には、フィリピン人介護福祉士・看護士の受け入れには賛成なのですが・・・政府は詰めが甘すぎです。はたしてどうなることやら・・・楽しみのようでもあり、先行き不安に感じたりもしています。

このことに関しては後日また記事にしたいと思っています。


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3 コメント

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Unknown (meew)
2006-04-12 22:13:10
以前、テレビで、ヘルパーを目指してがんばっているフィリピン人の番組を見ました。



それを見ていろいろ感じたことがあるんですが、そのうちの1つ、私の仕事にも関係することを。仕事はもちろん日本語ができないとダメなので、番組に登場したフィリピン女性は一生懸命に日本語を勉強していました。小学生、中学生のお嬢さんたちも単語帳を作ったり、お母さんの質問に答えたりして協力していました。そして、ヘルパー試験(で、あってますか?)に合格して、いざ現場に出た時、やはり日本語の壁にぶつかって、上司(もちろん、日本人)に、「ここは日本語学校じゃないんだから、いちいちあなたの日本語を直してはいられないんだ」と言われて、とてもしょげていたのが印象的でした。



日頃は日本語の使い方に文句ばかり言ってる私ですが、その辺を大目に見てもられえれば、あの明るい性格は人懐こさは、ヘルパーにとても向いていると思ったのです。そして、現場できちんと使える日本語を身につけさせてあげるのが、私の仕事なのだとも、思いました。



今日は、大雨の中東京へ行って、帰ってきたばかり。タイ大使館へ行ってきました。疲れたので、リポートは明日にでも。上記のコメントも、舌足らずかもしれませんが、送っておきます。
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よくぞ言ってくれました!! (mizzie)
2006-04-12 23:15:16
圧倒的多数派日本人の、あの僕が唾棄する基本的性質である、「強者に媚び、弱者に驕る」を、hanaさん独自の視点・切り口でズバっと一刀両断してくださって、mizzieは溜飲が下がる思いでした。

 目先の問題を解決する為に、低賃金移民労働者を入れよう。と言うのは、実に安易で思慮浅く、『自分は常に絶対安全地帯から、でも決して責任は取らない』な、クズ官僚の考えそうな政策ですね。厚労省は、介護職の離職率低下へ向けた取り組みを07年をメドに行うとアナウンスしていましたが、介護職員の待遇改善よりも、低賃金移民労働者の受け入れに向かうのでしょうか?



 これに関して書き出すと長くなりそうなのでこの辺りにしておきますが、僕も、優秀な人材を受け入れる事自体には賛成です。もちろん、そこにはきちんとした国民全体の合意と、しっかりした準備が必要なのは言うまでもありませんが。
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今日の記事に続きます。 (hana(本人))
2006-04-13 13:48:43
>meewさん

さすが我が母!よく分かってらっしゃる!!

そうなのです。介護の仕事は技術だけではなくコミュニケーションが必要不可欠なのです。言葉の壁はきっと大きいはず・・・大目に見てあげたいところですが、命に関わる場合もあるため決してないがしろにはできない問題なのです。このことに関して、また記事にしますので、よかったらまたご意見くださいね。



>mizzieさん

いやぁ、mizzieさんみたいにクールでシニカル、には斬れませんでしたが、実際受け入れが進むと、字本陣介護職員の離職率はもっと上がるでしょうね、ある水準までは・・・。

それにしてももし、外国人介護職員がたとえば「アメリカ人」とかだったら・・・もっと肯定的な議論がでるのでしょうかねぇ(と、またちょっと毒を吐いてみる)。
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