テムテムな日常

頑張れみんな!頑張れ自分!

権利を奪っているのは誰だ?

2008-07-14 | 介護職
その利用者さんとは、もう1年近い付き合いになります。

1年前にはじめて会ったときは、言葉も少なくて、いつもびくびくしていて、足元はフラフラ、お風呂には長い間入っていないし、手も足も、顔も真っ黒けだったのです。週に1回訪問するうちに、少しずつ少しずつ慣れてきて、会話も交わせるようになり、そして身の回りのこともちょっとずつ手伝わせてもらえるようになり・・・しかしそれと同時に、その利用者さんのADLというものも少しずつ落ちていきました。ヘルパーの訪問が週に2日になり、3日になり、そして今では一日2回、毎日の訪問になりました。

毎日の訪問活動になると、やはりあれもこれも至れり尽くせりになってしまうんですよね・・・。手を伸ばせばなんでも手に届く、3食じっとしていても自分の目の前に配膳される・・・でも、誰よりも長くその利用者さんと関わっている私にとっては、その状況が必ずしもその方のためになっていないような気がするのです。

1歩も動けないわけではないんです。自分でいざって、寝室から台所まで行くこともできるし、フラフラして転倒の危険性はあるけど杖をついて外に出る事だって出来るのです。それを誰が禁止することができるというのでしょうか?「転倒したら大変だから」「本人さんも怪我したら痛いから」・・・だけど本人は外に出たいのです。自分の好きなおやつを探して台所まで来たいのですよ。

今ではその方の家に週3回訪問しているのですが、一緒に買い物に行ったりしたときに、私はなるべく、本人さんが冷蔵庫を開けたとき自分で開けて食べたくなるようなものを冷蔵庫に入れておきたいなぁ・・・と思っているので、そのまま食べられるおかず系のもの(チキンナゲットとか、スライスチャーシューとか)をよく購入するんですけど、どうやらほかのヘルパーや、ケアマネにとっては「居室からできれば出ずに過ごして欲しい」というのが本音のようで・・・。

転んで怪我することをなぜそんなにも恐れるのか・・・怪我するかもしれないけど、しないかもしれないじゃないですか?!自分の家なんだもの、自分の好きなようにしたらいいと思うのですよ。たとえその「自分の好きなように」して自分が怪我したとしても、それはそれで仕方ないことだし、ちゃんとそのへんのことだって理解されていると思うのです。確かに、怪我したら本人も痛いし、家族さんにも迷惑をかけることになるかもしれません。だけど、心までは束縛できないと思うのですよ。

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