第8話
ソンクラーンは携帯の電源も切ってしまっていて、連絡がつきません。話を聞いたアノンが駆けつけますが、ドゥアンは「ソンクラーンの行きそうな場所も知らないくせに」と冷たく言い放ちます。ソンクラーンが家を飛び出した理由を作ったドゥアンをゲーオは責め、ふたりは口論に。「今はこんなことをしてる場合じゃないでしょう！」とウアイに諭され、アノンはゲーオとともにソンクラーンを探しに夜の街を歩きます。必死にソンクラーンの名を呼び歩くゲーオに、アノンは子供を失った自分の姿を重ね合わせるのでした。「ソンクラーンは、私と一緒にいなければもっと幸せな人生を歩めたのに」と涙を流すゲーオを、アノンは「あなたのような母親がいてソンクラーンは幸せだ」と慰めます。
朝、アノンと一緒に戻ってきたゲーオは、疲労の色を隠せません。シャワーを浴びて着替えたらすぐまたソンクラーンを探しに行くと言い張るゲーオでしたが、つい足元がふらつきます。そこへソンクラーンが戻ってきます。「一晩中帰らずに、お母さんがどれだけ心配したと思っているの！」とソンクラーンを責めるドゥアン。ソンクラーンはゲーオの足元に跪いて自分の行動を詫びます。「あなたが無事ならそれでいい」と、やっと安心した表情を見せるゲーオ。ドゥアンとウアイ、アノンにも自分の過ちを詫びるソンクラーン。アノンの帰り際、ソンクラーンは栄養剤を差し出します。なんとなくアノンに素直になれないソンクラーンでしたが、アノンは「君には運命を感じるんだ」と、19年前に息子を見失ってしまったこと、ソンクラーンの誕生日が息子を失った日と同じであることなどを話します。
一晩家を空けたアノンを、母親は責めますが、アノンは「真剣に子供を思う母親を気遣って何が悪い！」と反論します。「僕だって妻を失ったときは同じ気持ちだった」と、ゲーオのそばにいた自分の心情を話すアノン。依然交際を認めない母親に対し、アノンは「母さんだって、僕がいなくなったらどう思う？」と背を向けてしまいます。憤りの収まらないアノンの母は、一部始終を秘書のヌーレックに話します。「絶対に認めないんだから！」と息巻く母に、ヌーレックも同意します。一方ソンクラーンにファーから電話がかかってきますが、手を握り合っていたファーとナットの姿を見てしまっていたソンクラーンは素直になれません。話もそこそこに一方的に切ってしまいます。
ヌーレックは、アノンとゲーオの中を裂こうと考えていました。ヌーレックがアノンと結婚すれば、経済的にも豊かになれると考えているヌーレックの兄でしたが、アノンがヌーレックにまったくそんな気がないことはすっかり見抜いていました。ヌーレックは兄にアノンとゲーオの関係を話し協力を頼みます。ゲーオと話をするために店を訪れるアノン。応対にでたウアイがゲーオを呼びに行きます。ドゥアンは「あなたのお母さんは、私の友達を蔑み、傷つけた。今更どうするつもり？」とアノンに敵意をみせます。「母は母だ」というアノンに、「あなたにはヌーレックがいるじゃない」というドゥアンに、アノンはきっぱりと「ヌーレックは好きじゃない」と言い切ります。
アノンが来たことを知らされ、ウアイに促され着替えをしていたゲーオの前に、ドゥアンがやってきます。「本当にこれからもあの人と付き合っていくつもり？と言うドゥアン。「あの人のお母さんは、子持ちのあなたなんか認めないわ。それとも、人を殺してその人の子供を育ててきたと正直に話せるの？」とまくし立てるドゥアンに、ゲーオは言葉を失います。背を向けるドゥアンに「私はあの人を愛してる。どんなことも、乗り越えて行きたいと思ってる」と自分の気持ちをきっぱり口にするゲーオ。その言葉に、ドゥアンはゲーオの気持ちも本物だと悟ります。
血のつながりはなくても親子の絆というものは築かれるものなのです・・・。一晩の家出をし、思わずファーの家に行ってしまったものの、ナットと話をしているファーに気後れしてしまったソンクラーン。その後ファーとも気まずくなってしまい、ちょっとかわいそうです。「わざとじゃないのだから、いつか分かってくれる」という父の言葉に少し元気を取り戻すファーでしたが、早くスッキリ仲直りして欲しいですね。ナットに「私の友達のことを『あいつ』呼ばわりはやめて！」などときっぱりナットに宣言していたファー、ちょっと見直しました。そして自分の気持ちを抑え、ゲーオの恋を見守っていく決心をしたドゥアン。アノンとゲーオの恋には大きな壁が立ちふさがっていますが、どうかうまく行ってほしいものですね。