祝?予氏医案 陰陽両虚 水停瘀阻案(浮腫 糖尿病性神経症案)
(祝?予臨床経験精選より)
患者:?某 73歳 男性 退職工場労働者
初診年月日:1992年3月16日
病歴
双下肢の麻木(しびれ)、疼痛4年、下肢水腫著明1ヶ月。患者は高血圧症の病歴が長く、4年前双下肢の麻木により、高血糖が発見され糖尿病と診断を受けた。経口糖尿病薬降糖灵(フェンフォルミン ビグアナイド系)を使用したが、麻木はだんだんと加重した。
コメント:フェンフォルミンは重篤な乳酸アシドーシスの副作用のために、1977年以降、米国、日本を含め多くの国で発売が中止になっています。
下肢の疼痛無力が出現し、歩行が困難になり、嘗て某医院で中薬を百余剤の治療を受けたが無効であった。ここ1ヶ月、双下肢の水腫著明、尿蛋白(3+~4+)、尿糖(-)。血圧23.4/13.3 kPa(176/100mmHg)、身体消痩、神疲乏力、起立困難、歩行困難、家人が患者を背負って来診した。
初診時所見:
双下肢麻木 疼痛 無力 高度陥没性水腫、両側の踝(くるぶし)部分に著明、腰膝酸痛、畏寒肢冷、夜尿頻多、大便乾燥、舌淡紅、脈沈遅。
弁証立法:
陰陽両虚 水湿泛濫 瘀血阻絡
治則:
培補脾腎 益気利水 化瘀痛絡
方用:
防己黄耆湯 合 四藤一仙湯、五苓散加減
防己10g 生黄耆30g 桂枝10g 蒼朮 白朮各10g 茯苓20g 川萆薢15g 石葦15g 車前草30g 旱蓮草15g 鶏血藤(苦温:活血化瘀 舒筋活絡)30g 絡石藤(微寒 祛風湿 舒筋活絡 涼血消腫)15g 海風藤(辛苦微温 祛風湿 通経)15g 釣藤鈎15g 威霊仙(辛咸温 祛風除湿 通絡止痛)15g 桑寄生20g 川牛膝10g 葛根15g 夏枯草10g 白茅根30g 毎日1剤 水煎服用。
コメント:
防己黄耆湯(金匱要略):防己 黄蓍