ゆうしゃケン  小心翼翼・平々凡々

団塊世代の技術系サラリーマンだった。引退した今は妻と二人で平和な生活を願いつつ、趣味と独り言でストレス発散

聖の青春

2016-12-04 13:07:03 | 平々凡々
 ひさしぶり、にと言うか、学生の頃以来だから47年ぶりに一人で映画を観に行った。「聖の青春」だ。去年だったか、北九州在住の葉室麟さんの「蜩ノ記」が放映されたときに挨拶も兼ねたトークショーが開かれるというので、それを一人で観に行ったのだが、その日は妻が所用があったので、完全な単独行というのは今回が初めてのことだった。誘ったのだが、すぐさまつれない返事が返されたので、将棋の世界を知らない妻は羽生七冠は知っていても村山聖までは記憶に無かったのかも知れない。

 


 さて、村山聖。「東の羽生・西の村山」と称された天才だ。二人の対戦はほぼ互角、将棋ファンの私は彼の独特な風貌は知っていた。ただ今思えば、まん丸顔は薬の服用によるものであったのかも。NHK杯などで観ることが多かったが、髪を引きむしるような彼の仕草は今も覚えている。わずかなりでも将棋に親しんでいる私にも彼の差し手に驚いた記憶もある。人なつこそうな童顔の中に、名人への思いと病魔との戦いが隠されていたのだった。

 金曜の朝一番9時半上映開始だったが、140席あまりの館内、観客は10名だった。平日で朝一番という時間帯だったので少ないのも当然なのかなとは思ったが「君の名は」などは多そうな感じだったので、やはり将棋の世界はマイナーなのかなと感じたりしていた。

 映画自体としては村山聖の生き様を羽生善治との対比で描かれていたが、もう少し彼の成績を表現してくれていたら勝負師としての彼の力量が浮き彫りになって彼の夢「名人」への思いが伝わったのではないかと思った。

 最近はコンピュータソフトも強くなって囲碁、将棋も人間が勝つのが難しくなった感がある。そうなるとこの道の専門家、いわゆる棋士も存在感が薄れてゆくような気もする。竜王戦では不正にコンピュータソフトの手助けを得たかのような報道も有り、問題となっているようだ。この先どうなるのか実に興味深い。人工知能は別のものとして、囲碁・将棋は勝負事、あくまでも人と人の闘いとして残っていくことを期待したい。アニメ「3月のライオン」、毎週観ている。聖の青春とは似たような感性を持っているようなところもあって、人間性とは何か、究極の高みを目指しているような気がする。





コメント (7)
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