勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

花の香り

2013-11-29 00:04:32 | Weblog
 その昔「花の香りお乳の泡立ち・・・♪」という石鹸のCMがあった。男は石鹸の香りが好きらしい。もちろん僕も花の香りも石鹸の香りも好きである。ダンス教師を始めたばかりの若いころ、お客様に言われた「石鹸のにおいがする先生ね」の一言は、70年生きてきた僕にとって、最大の褒め言葉として今も心に仕舞ってある。最近は「加齢臭がする先生ね」などといわれかねないが。。。


 我がマンションのエントランスを通ると、今まで体験したことのない得も言われぬいい香りがする。管理人さんが気を利かせて芳香剤でも置いたのかなと思っていたが、気が付くと片隅に鉢植えがあり、小さな白い花を咲かせている。


 近寄ると香りの源がこの花であったことを知る。葉の形を見るとこれは柊ではないか。節分に使うあのとげとげの葉の柊がこんないい香りの花を咲かせることを知らなかった。調べてみると柊はモクセイ科モクセイ属の常緑小高木とある。いい香りがするはずだ。このマンションの住人の方が、皆さんへ香りのおすそ分けのつもりで置いてくれたらしい。


 2~3日後、この鉢植えが見えなくなり、あのいい香りもしない。管理人さんに尋ねると、住人のひとりから香りが強すぎるとの苦情があったという。いい香りは癒し効果もあるというが、そうか、ある人にとってはいいと思うことでも、それが苦痛に感じる人もいるかもしれないし、匂いアレルギーの人もいるだろう。何事も世の中すべての人が満足するとは限らないんだ。でもいつか僕もこの柊をベランダで育てたいと思う。ベランダの外の植え込みには金木犀が植えられ、秋にはいい香りを我が部屋にも届けてくれる。ベランダなら苦情も来ないだろうから。