最近めっきりアクション俳優としての地位を確立させた御年62歳のリーアム・ニーソン。
久しぶりに頭を使う映画を観てしまった。一度観ただけでは良く理解出来なかったので気になる場面を再視聴、及びネットで解説を検索。
皆さんやはり同じような事をしていて、この映画ではそれが許されるようだ。
監督・脚本はポール・ハギス。
3つの創作と1つの現実が時間と場所を飛び越え複雑に交錯している。
何が真実であったのか。
1、作家であるリーアム・ニーソンが過去にプールの事故で小さかった息子を失った。
2、そのきっかけを作ったのがオリヴィア(架空)として登場させた数ヶ月前に別れた愛人。
3、別れた原因は、女性がリーアム・ニーソンの日記を読んでその事実(きっかけ)を知ってしまったから。
実在する登場人物は、リーアム・ニーソンとその妻、出版社の男性、映画には登場しない別れた愛人の4名。愛人とその父親の関係も事実かもしれない。
練に練られた脚本なので、至る所にフラグが立ちまくり、その回収(意味を探る)だけでもウンザリしそうな内容となっている。
根底にあるのは後悔と懺悔。
小説家は自分の経験を切り売りしているだけ、するしかないといったメッセージ。
ニューヨークの芸術家と元女優のエピソードは、自分はどんな罪でも償うので息子に生きていて欲しかった、息子にも自分を愛して(赦して)欲しいという願望。
パリの作家(リーアム・ニーソン)のエピソードでは、汚れた父親(自分の投影)から愛人(息子の投影)を守る、守りたいという願望。実は、死んでしまった息子に嫌われているんじゃないかといった不安。
ローマでは、どんな理不尽な目にあっても何とかして娘(自分の息子)を救い出し、最後はハッピーエンドになりたかったという願望。
後悔と懺悔、不安と葛藤、愛情と愛憎、絶望と希望。これらが1つのストーリーを織りなすとき、1人の人生が浮かび上がって来る。
そんな映画でした。
Watch me! (見てー!)子供が良く言います。 自分の子供の「見て見てー!」という声は、親なら一生覚えていますよね。
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