こんにちは、ダンワールドです。
食べものを選ぶときの原則として「身土不二(しんどふじ)」があります。これは、「身(体)と土(土地)は2つにあらず」という言葉で、「なるべく自分の土地でとれたものを食べたほうがよい」という意味です。
似たような表現として、京都のほうでは三里四方のものをたべるといいます。自分の所のものを食べて、よその土地のものや外国のものは時たま食べる、ということです。体の鍛練になるから時々食べるのは良いのですが、常用するというのはよくない、という考えです。
「身土不二」の考え方の背景として、人間も自然の一部だから、あまり変わったものが急激に入ってくるのはよくないという思想があります。
自然の一部としてできている体の中に、あまり異質なものが大量に入ってくると、どうしても無理をしてそれまでの状態を保とうとして、負担がかかる。それがひどくなれば病気となって出てくるということです。かといって全然入ってこないのもよくありません。少しずつ時々入ってくるのが一番いいということですね。
衣類などについても化学繊維より天然繊維が好まれることがあるのも、人間が自然の一部であるという意識が働くからでしょう。
とはいえ、人間の歴史を振り返ると、身の回りの自然と対立してきた面があるというのも事実です。他の生物は自然をそのまま受け入れて暮らしてきましたが、人間だけは自然を改造して、人工的なものをつくりながら発展してきました。
それに伴って、あたかも自分たちが自然を支配しているかのような過信が出てきたのかも知れません。もう一度謙虚に自然のありがたみを感じたいものですね。