ヨガのもともとの目的は精神修養法だったとされます。その基本は、禅寺の座禅と同じように瞑想でした。体操ではなかったのです。「神人合一(しんじんごういつ)」といって、神と一体化するためのものだったのです。
しかし、座って瞑想だけをしていたら、どんな元気な人でも筋肉が衰え、力が出なくなってしまいます。そんな状態で瞑想を続けたら、健康を害してしまうので、ちょっと運動もしようと、ヨガ体操ができました。
ヨガの兄弟分といえるのが、東洋の養生法です。養生法はヨガと同じように、「気」や生命エネルギーの概念を重視しています。人体に新鮮な「気」(正気)が入ると、体内を循環して生命活動を活発にすると考えられます。気が滞ると汚れた気(邪気)となり、体の生理秩序を乱し、トラブルを引き起こすとされます。
ヨガや東洋の養生法を実践するうえで大事なのは、自分の健康を保つ力は、自分自身の内側に宿っているという意識です。脳を中心とする自分の「システム」をしっかりと稼働させ、活性化することで、体や心を整えることができます。