「苦が無くなったから楽になった」というのは大変な考え違いです。
相対的なものの見方、考え方からすれば、当然苦が無くなれば楽になり、
煩悩が無くなれば、菩提が残るということになります。
片方が無くなれば、もう一方の対象もなくならなければなりません。
そうでないと、「本当の相(すがた)を見ることも掴むことも窺い知ることも
出来ないという世界」には到着することは出来ません。
「無相」というのは相(かたち)が無いということです。
「本当の相(すがた)は相(かたち)が無いものである」というのが
「実相無相(実相は無相なり)」というお言葉なのです。