活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

苦楽とは1

2018年05月31日 | 道のこと

修行の結果、一応の其の人なりの苦しみから離れることが出来たとしても、

これで「菩提を成就した」ということにはなりません。

 

苦しみから離れてすっかり安心しました、というような状態になる人は

非常に多いと思います。

 

しかし、数日数年過ぎると、また同じような苦しみが出て来るものです。

これは本当に「自分というものが無くなっていない」からなのです。

 

「楽」になろうと思って出発した修行ですから、「苦」が無くなると、

もうそれで終わって今度はその「楽」が「苦の種」になります。

 

このことを説明して下さる指導者がなかなかいないために、「楽になった、

もうこれで私の修行は終わったのだ」というような誤った考えを起こすのです。