活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

差別(しゃべつ)について 3

2016年01月29日 | 法理

「般若心経」 の中の 「色即是空」 の色というのは、差別(しゃべつ)、空というのは平等です。

現象的に見たものが、「色」 の世界です。

 

そして、色の他に空はないという事を直観的に感じてもらうために、「即(すなわち)」 という字が出てきます。

「即(すなわち)」 とは、「異ならず」 という意味です。

したがって、「色即是空」 とは、「色は空に異ならず」 という意味です。

 

私たち衆生の考えの中には 「これは差別(しゃべつ)、これは平等」 というものがあったとしても、物にはありません。

物は、そのもの、それだけで、差別(しゃべつ)でも平等でもありません。

 

「色即是空 空即是色」と は、差別(しゃべつ) も平等も 決められないという事です。

ところが、「決められない」 と、決めてしまうのが人の考えなのです。

 

どんなにしても、自分があるうちは、自分から考えというものが離れないものです。

だから、考えは考えの中で、考えによって無為にならないといけないのです。

 

ひとつのものが、ある時は平等になり、ある時は差別(しゃべつ) となり、決まったものはありません。

みんな縁によって結果が生じるという事です。