「般若心経」 の中の 「色即是空」 の色というのは、差別(しゃべつ)、空というのは平等です。
現象的に見たものが、「色」 の世界です。
そして、色の他に空はないという事を直観的に感じてもらうために、「即(すなわち)」 という字が出てきます。
「即(すなわち)」 とは、「異ならず」 という意味です。
したがって、「色即是空」 とは、「色は空に異ならず」 という意味です。
私たち衆生の考えの中には 「これは差別(しゃべつ)、これは平等」 というものがあったとしても、物にはありません。
物は、そのもの、それだけで、差別(しゃべつ)でも平等でもありません。
「色即是空 空即是色」と は、差別(しゃべつ) も平等も 決められないという事です。
ところが、「決められない」 と、決めてしまうのが人の考えなのです。
どんなにしても、自分があるうちは、自分から考えというものが離れないものです。
だから、考えは考えの中で、考えによって無為にならないといけないのです。
ひとつのものが、ある時は平等になり、ある時は差別(しゃべつ) となり、決まったものはありません。
みんな縁によって結果が生じるという事です。