今日もきのこ 観察日記

野山を散策したときに見かけたきのこ、草花、虫などを書きとめておきたい。いろいろ教えてください。

蒜山周辺を歩く 皆ヶ山 2010.08.29.(1)

2010-09-01 21:46:06 | Weblog

皆ヶ山山頂から




 白山から降りてきて、盆休みも終わり、一段落。夏の疲れが出たのか・・・・、何時の間にか2週間が過ぎた。そろそろ、体を動かさなければ・・・・。



 どこか高い山に挑戦、という気にはなれず、かといって涼しい気分を味わいたい。友人に蒜山辺りに行かないかと話していた。その時は、蒜山といえば上、中、下蒜山のどれか、と考えていたのだが、ブナ林に行きたいと言った僕の言葉を聞いて友人が探してきたのは「皆ヶ山」だった。その山がどこにあるのかも分からなかったが、調べると・・・・



 所属しているきのこの会で散策したことのある蒜山高原キャンプ場の脇に登山口のある山だった。秋にはハナイグチ、シロヌメリイグチを採ったこともあった・・・・



 朝、6時前に友人が迎えにきてくれた。その車に乗り、途中、食料、水などを仕入れ、懐かしいキャンプ場の駐車場から登り始めたのは8時半頃だった。登り口辺りは、ミズナラ中心の広葉樹林。天気は曇っていたが、雨が降るほどではなかった。



 登り始めはほとんど平坦な道。木が茂っていて日陰ではあったが、湿度が高く、汗が出た。意外だったが、登山道の脇にはイグチが幾種類も出ていて、久し振りなので写真を撮りながら登った。



    
アワタケ?     Boletus subtomentosus L.    孔口の変色性はほとんど見られない・・・



 キャンプ場周回の道の脇にひっそりとある登山口。




皆ヶ山の謂れが説明してある・・・



 緩やかな道の脇にイグチが続く・・・・・







ニセアシベニイグチ     Boletus pseudocalopus Hongo


まあ、典型的といった感じのニセアシベニイグチ。大きなものがズラズラと並んでいる。傘を切断して臭いを確認。濃いチーズのような独特の匂いだ。



 次は白いきのこ・・・、一見してアマニタ。




アケボノドクツルタケ     Amanita subjunquillea var. alba Zhu L. Yang



 このイグチははっきりしないが、外見、匂いからは・・・




Tylopilus alkalixanthus Amtoft


アルカリキゾメニガイグチ(仮)のように思う。



 これも議論のあるイグチだ・・・






フモトニガイグチ?     Tylopilus alutaceoumbrinus Hongo



クリイロニガイグチと呼んでいたこともあった。最近は外見は同じでも胞子径が異なったりで、さらに細分化しなければならないのかもしれない。



 次のイグチは、今年は良く出会うイグチ・・・




イロガワリ     Boletus pulverulentus Opat.


柄も傘も触れると素早く青変する。これは食べても美味しいきのこだ。


 枯れ木の根元からは・・・




ナラタケモドキ     Armillaria tabescens (Scop.) Emel



湿り気さえあれば、今がナラタケモドキのシーズンだが・・・、自宅周辺では雨が降らず姿を見ていない。




ramaria sp.


ホウキタケの仲間だが、その脇にあるイチヤクソウの仲間に興味が行ってしまう・・・



 これは?







    
クロアワタケ?     Retiboletus griseus (Frost) Manfr. Binder & Bresinsky


ホオベニシロアシイグチかなと思ってみていたが・・・、この柄の白地に灰色の網目はクロアワタケか・・・・


 次は緑がかった傘の色を持つニガイグチ属・・・





ニガイグチモドキ     Tylopilus neofelleus Hongo



 山を登りに来たというのに・・・・、きのこの写真ばかり撮っていて、なかなか、進めない・・・・






シロオニタケ     Amanita virgineoides Bas



ドクキノコは美しい?


 まだ、しばらくきのこの道は続いた。


つづく。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高山植物園の最終回 ヒゴタ... | トップ | 皆ヶ山 登山ちゅうか、なん... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ニシキイグチ (種山)
2010-09-06 20:51:52
こんにちは

>典型的といった感じのニセアシベニイグチ

これはニシキイグチだと思います。管孔が短い、チーズの匂いがするというだけで混同されているのではと考えています。検鏡すると縁シスチジアの形態が全く異なります。

ニセアシベニイグチは、肉の青変性がほとんど無く、このくらい成熟した子実体でも管孔が柄に垂生することが多いです。また、写真のように、柄が濃い赤色であることは無いようです。

オオコゲチャのほうも書きますね。
返信する
種山さん、こんばんは (kouchan)
2010-09-06 22:24:59
実は、これまでニセアシベニイグチ近縁としたもので、柄がこれまではっきりと赤いものは無かったです。むしろ、図鑑に出ている写真の方が赤さが明瞭で、匂いは同じように思えたので、典型的と書いたのですが・・・。ニシキイグチについては、最近種山さんのHPやHさんのレポートで知ったくらいです。
このイグチは傘径が15-20cm位、かなり大型で結構な数が出ていました。今まで、ニセアシベニイグチ近縁としてきたイグチは気をつけないといけないのですね。検鏡が決め手となると厳しい。また、教えてください。
返信する
ニセアシベニイグチ (種山)
2010-09-07 20:22:45
保育社図鑑には「まれに子実体全体がバラ色を呈するものがある」とされていますが、ニシキイグチと混同していたと考えています。

ニシキイグチB. bicolorはまだ正式に報告されていませんが近年中に正式報告がなされるでしょう。

オオコゲチャイグチ類似種も、国内未記載種ですね。長野の広葉樹林でも頻繁に見かけます。海外で報告された種のどれにあたるのかは、だいたい検討がついていますが、まだ詳細を検討していません。

今は、かさ裏の赤い奴にのめりこんでます。
返信する
種やん、どうも。 (kouchan)
2010-09-07 21:07:23
ちょっと物差しを見ながら、思い出し、傘径は15cmくらいでした。北陸のキノコ図鑑の記載とは異なる点が多いです。大きさ、柄の条線、無臭であることなど。webで見てみましたところ、ニシキイグチの特徴に合う部分が多いように思いました。匂い・・・ちょっとこだわりがあるところですが、そこが類似となるとそうなのかなと思います。
H氏に確認したところ、やはり兵庫県ではニシキイグチは稀とのこと・・・、でも、今回は蒜山でしたね。

オオコゲチャイグチの件、あの不明種は外見上はオオコゲチャに一番近いと思いましたが、その割りに、傘径10cm程度と小さい。特徴も違うように思いました。切り刻んで匂いだけ、確認しておきたかった・・・。

また、よろしく。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。