CORRESPONDANCES

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Prendre un Enfant par la Main: Yves Duteil

2010年06月10日 10時52分45秒 | Bruxelles Talks

Yves DUTEIL – Prendre un enfant (1977)
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Prendre un enfant par la main
Pour l’emmener vers demain,
Pour lui donner la confiance en son pas,
Prendre un enfant pour un roi.
Prendre un enfant dans ses bras
Et pour la première fois,
Sécher ses larmes en étouffant de joie,
Prendre un enfant dans ses bras.

Prendre un enfant par le cœur
Pour soulager ses malheurs,
Tout doucement, sans parler, sans pudeur,
Prendre un enfant sur son cœur.
Prendre un enfant dans ses bras
Mais pour la première fois,
Verser des larmes en étouffant sa joie,
Prendre un enfant contre soi.

Prendre un enfant par la main
Et lui chanter des refrains
Pour qu’il s’endorme à la tombée du jour,
Prendre un enfant par l’amour.
Prendre un enfant comme il vient
Et consoler ses chagrins,
Vivre sa vie des années, puis soudain,
Prendre un enfant par la main
En regardant tout au bout du chemin,
Prendre un enfant pour le sien.
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有名な曲で和訳もあちこちに出ているのですでにご存知と思われるが一応リンクしておきます
Yves Duteil : Prendre un enfant
Joan Baez : Prendre un enfant
昨夜この歌詞をしげしげと見て、主語がない、つまりセンテンスになっていないことに気づいた。主語もなければ、活用した動詞もない。ピンク色の部分はジェロンディフとよばれるもの、紫色2ヶ所のみに活用した動詞の姿が見えるが、どちらも従属副詞節で、センテンスの地位にはつけない、言ってみれば修飾節にすぎない。
それで思い出した。2日前解釈書をみていたら、小説の登場人物の内的自己命令としての不定詞の用法と言うものに出合ったのだった。普通文法書には「命令・指示を表す不定詞の用法」と呼ばれるものが出ているが、その一変形だと考えていいだろう。たとえば、自分のスケジュール帳に「明日は3時に起きること」などの書き方である。
その翌日に偶然この歌詞にであったのであるが、この歌はそう言った自己命令の不定詞による書付の集合だ。Prendre以外はオレンジ色の部分が不定詞であるから、そういったいろんな動作を子供に対してしようと思っているわけだ。したがって
soulager ses malheurs,
consoler ses chagrins,
の部分はリンクの訳のように自分の不幸、自分の悲しみとしないで、子供の不幸、子供の悲しみ(をやわらげて上げる)としたほうがいい。
不定詞は主語がないのだからこの場合も自分を出していない。
Prendre un enfant dans ses brasであって
Prendre un enfant dans mes brasとはしていない。
Prendre un enfant pour le sienであって
Prendre un enfant pour le mienとはしていないのだ。
onという不定代名詞は主語の正体を不明にするが、この不定詞に於ける意味上の主語はさらに第三者的に自己とは分離しているわけだ。
こう言った不定詞の用法及び所有形容詞の解釈がこの歌詞を味わう決め手になると言ってもいいだろう。
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1)Yves Duteilが若くして人気歌手だったころ、この歌によって子持ちの女性と結婚したのだと言うことを知った。よっぽど魅力的な女性で、子供まで受け入れ、曲まで作る。メロメロなのだろうと思った。顔が真面目だから、女性経験が足りなかったのでは、などとも。
2)それにしても人妻と結婚するとは、子供の本当のお父さんは、どうなるんだろう。略奪愛なのかと。穏やかな話ではない。おとなしい顔をしているのに。子供を引き取るといっても、どこか恩ぎせがましいのでは。子供はママ父になんかなつかない。当たり前だ。
3)その後どこかで読んだのだが(資料の確認が取れてないので事実関係は未確認)親友の奥さんだった、という事を知って、なんと言うやつだ、といささかあきれた。親友から奥さんと子供を奪って、こんな曲を作るとは!
4)7年程前にようやくその真相?を知った。(資料の確認が取れていないので事実関係は未確認。創作情報も結構あるので)そして真相がわかって初めてこの曲のよさが分かった。私の記憶ではその親友は医者だった。死の病に罹ったその親友は、娘と妻の今後の生活を心配するあまり、親友のYvesに今後を託したのだ。そしてYvesは親友の願いを受け入れた。3者了解の元の再婚だったのだ。問題は子供の気持ち。子供の気持ちを和らげるために、Yvesはこれからはこう生きていこうと自分の決心を自分の心に対する命令として、こんなにも多くの不定詞を使って、つまり不定詞だらけの歌を作ったのだ。そしてその不定詞によってこの歌の中では、見事なまでに(自分)を消去しているではないか。他人の子供を育てると言うことは、こうして自分の自我を消し去ってこそ、可能なことなのだ。
Vivre sa vie des années, puis soudain,
Prendre un enfant par la main
ちょっと意味不明なこの部分もよく分かると思う。他の和訳では「子供の人生を何年か生き、そしてふと」としているものもあるが、こちらはリンクの訳「これまで自由に生きてきて」が正しい。今まで生きてきた人生を、突然止めて(ある意味捨てて)「子供の手を取る」人生を選ぶのだ。西洋で養子をとる歌手達は多いが、おそらくこの部分に彼らは一番共感している筈だ。
歌詞では、このように一見意味不明の部分に、一番深い意味が隠れている場合が多い。
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Yves Duteil
: Biography RFI
もうひとつのBiography : Yves Duteil
Yves Duteil : Fanのペイジ
Yves DuteilとBarbara: Correspondances過去記事
Barbaraが自分の家でYvesに
弾き語りをしたMelancolie
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Yves Duteilが大女優Jeanne Moreauとデュエットしている
曲を見つけた。映画L'Adolescente (1978)の主題歌:
歌詞:歌詞を見ながらふたりの歌を聴く

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ご存知のかたもいらっしゃるかも知れないが
Yves Duteilは
Captain Alfred Dreyfusの末裔らしい。
シャンソンとは無関係かもしれないが、
面白い資料を入手したので、後日のために
こっそり置いておく。今後の資料として。
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Rapelle-toi Barbara 2007

2010年06月10日 10時20分52秒 | Barbaraの放送

熱心なBarbaraファンの方はすでに御覧になられたかもしれない。
以下は2007年、Barbaraの十回忌の際、劇場や、TVやRadioで盛んに行われた、Barbara追悼イヴェントのひとつ。Jacquesが最後の力を振り絞って、出来る限りのDVD化、CD化をして送ってくれたので、Barbara資料として私はそのほとんどを保持している。が、日本の多くのBarbaraファンにも、たとえそのひとつでも、一緒に楽しんでいただけたらと、願っていた。ラジオ番組のほとんどは必死にリンクを貼ってお聞きいただけるように工夫したが、TVはごく一部しかリンクを貼れなかった。今回のRapelle-toi Barbaraもそのひとつ。それがYou Tubeに登場した。いまさら、といわないで興味のある方は御覧いただきたい。なお2007年のBarbara 追悼期間の際、似たり寄ったりのタイトルが並んだので、混乱が生じるほどであった。以下のRapelle-toi Barbara はTV放送されたFilmである。率直に言って、このfilmのBarbaraは映りが悪い。Barbara入門期の方は、その点を考慮して御覧いただきたい。
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Rapelle-toi Barbara (Documental) 1/6
Rapelle-toi Barbara (Documental) 2/6
Rapelle-toi Barbara (Documental) 3/6
Rapelle-toi Barbara (Documental) 4/6
Rapelle-toi Barbara (Documental) 5/6
Rapelle-toi Barbara (Documental) 6/6
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追記:2010年6月10日
2006年には同じタイトルでこういうラジオ番組もあった。
Correspondances過去記事
Catherine RibeiroのPerlimpinpin
Michèle BernardのAu Bois de Saint--Amand
Serge ReggianiのGöttingen
ご存知でしたか?
お聞きになったことがおありですか?
Bruxellesはどうかって?
BarbaraサイトのBruxellesですから
当然ありです。Fileも全部。
整理が出来ていないので
どこにしまったか分からないだけ!