たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

直腸切除術後の後遺症

2012年09月04日 | 日記

大腸がん直腸手術後の後遺症で便秘に悩まされています。自然排泄はめったにできない。就寝時緩下剤プリゼニドの服用、その翌日大腸が空になるまで頻便がつづき悩んでいます。

直腸癌切除手術は近年8割方は機能温存術を受けるとか。人工肛門(ストーマ)とはまた違う厄介な排泄機能障害で、私の場合は便秘と頻便・頻尿・性機能障害です。

一般的な解説では、
”症状として・頻回の排便、便の漏れ(Soiling)、便意促迫(便意を我慢できない)、残便感や下剤に依存する排便、短時間に繰り返す排便、などとあります。これは前方切除後遺症群と医学的には呼ばれます。症状のいずれかが単一に生じることはなく、いくつかの症状が複合的に発生するという特徴がある”
と解説されています。

普通に腸が空のときや、便意がないときは健常者と変わりませんが、便意が来るのが不定期、不規則で直腸という膨大部がないため、便の貯留障害を生じ、一旦排便があると不快な頻回を繰り返すのです。

この手術法は、勤めのある人、時間に拘束される現役の人などにはお勧めできないといわれます。

人工肛門(ストーマ)は管理が厄介と言われますが、肛門温存術に比べ、最近のパウチは改善されたので、2日に1回の取替で済み、むしろ後遺症の苦痛は少ないと医師からは説明され、標準手術だと言われました。

初診を受けた際、肛門温存術を希望したら、外科部長先生は「頻便などの後遺症で我慢できないと、人工肛門に再手術を希望される患者もいる」とも説明されました。数年後の健診で、執刀医は「愛知県がんセンターはけっこう人工肛門の手術が多い」とも説明されました。

下剤を服用して排便すると、頻回を生じ腸が空になるまでつづきます。
そうすると肛門付近に特有の不快痛が出て、お風呂に入ると肛門があたたまり楽になります。
おならも溜まり、仰向けに寝た時、お風呂に入った時など、腸が圧迫されるためか、おならが大量に出ます。
臭いのないおならで、口から吸った空気が腸に溜まり、排便を阻害するようです。

私のトイレは洋式の洗浄便座で、風呂も自分専用なので気兼ねはありませんが、家族が多い人、汲み取り式の人はむしろ人工肛門がいいのではないでしょうか。

また男性は性機能が不能になり勃起も射精もできません。私は術後執刀医に「性機能の神経は残したが正常かどうか、報告してください」と言われました。妻を乳がんで亡くしていて、年齢も手術時72歳と問題外でしたが、若い人はお気の毒です。ゴルフ仲間で数年後S字結腸癌を摘出した同年輩の体験談も同じです。前立腺がんの手術の人も勃起はきても射精はできないと言っていました。
-----------------------
頑張ったゴルフはこの暑いのに、先週も腸の運動のためもあって練習に3回も行きました。
その成果が出て、短い方の高麗グリーンでしたがグロス90で良好、ハウスのサービス・ハーフコンペは準優勝で帽子とボール3個を貰いました。ゴルフに行くには3日前から排便調節します。
-----------------------2016年5月----------------
(この記事が同病者からの閲覧が多いので追記です)
手術日時:2009年3月 低位前方切除術 大きさ:2.0センチ 部位:肛門から10センチ
病期:T1(MP早期がん) 病院:岐阜県総合医療センター
現在7年経過、5年経過で病院の定期検診は当方の希望と主治医の了承もあり打ち切った。それまでは年1回CT,開業医で年1回の大腸カメラ検診を受けた。

現在の後遺症:便秘がひどい 術後から排便カレンダーをつけて管理している。90時間から~120時間ほど便秘する。自然排便は稀で、看護師の指導で4日以上便秘した時は緩下剤を就寝時に服用する。(大腸がん手術をすると腸閉塞の危険性が高くなると言われる)

薬剤 ・緩下剤:プルゼニド錠12mg 1回1錠でも効く。
   ・同  :漢方センナ 薬局で売っている安い煎じ薬これも効く。センナは古くアラビアの医師によって使用された生薬の緩下剤 日本には明治初期に入ってきた。プルゼニドはセンナを化学合成された薬で、保健薬では「センナダイオー」があると薬剤師が説明した。

・コロネル錠500mgまたは、ポリフル錠500mg 便調整剤 腸の中で水分調節をして、下痢、便秘などの便通異常および消化器症状を改善する薬。私にはあまり効かない。開業医は適宜自己調整し服用せよと言われます。

・ツムラ大建中湯エキス顆粒 腹部の冷え、痛み、膨満などの症状を改善する薬。便に適度な水分を含ませお通じをよくするが、後での頻回が多くなり一長一短がある。

・ロペミンカプセル1mg 下痢止め、術後に処方されたが下痢はない。便漏れもない。

緩下剤を服用して就寝すると、翌日朝食を取ると腸がぜんどうし始め、便意が来るが便座に座り、いきん(怒責)でも奥から押し出すためなかなか出ない。20分くらい頑張ってようやく、コロコロ便ではないがやや細めの親指ほどの大きさで数個出る~ここから頻回が始まる~1回に10分から~20分便座に座り、シャワーで肛門刺激する。

とにかく腸が空になるまで頻回するが、日によって2時間くらいから5時間くらい、時に2、3日になることもある。
その間の便の形状は一定の型があり、筆舌しがたい。
空になってから4、5日を置き下剤で排便の繰り返し。

頻回中はT字帯(越中ふんどし:病院の売店にある)に女性用尿取りパッドをあてがい肛門を温め念のため防護する。(病院の看護師の指導)頻回中の肛門不快刺激痛は特有で表現できない。(傷口刺激と看護師は言ったが、神経切断の不快痛だと思う)

もうじき80歳になるが、体力の消耗が大きい。人間の尊厳性も損なわれる。
・同病者の同年齢の女性 当方と病歴も同じくらい 毎日便通はあるがちょっぴりしか出ないとか。
・40代で発症し、自動吻合器の性能が悪かった時代に手縫いで手術した女性 70代に入っているが元気でゴルフもやっている。後遺症は聞いていない。
・腸閉塞になり救急車、薬で排出できて開腹は免れたと言った人もいる。腸閉塞(イレウス)は命に関わる。

食欲はない、朝昼兼用のモーニング喫茶。夜食をご飯一杯。痩せてしまい60キロ前後から51キロ前後になった。水を飲んでもオシッコになるだけで、適度な硬さの便はご飯がいいとか。
命と引き換えたので仕方がないと開業医は言われる。余命をQOL最低で生きている。バス旅行とか長い旅行や海外旅行は無理です。
---------------------2017年12月追記-----------


最近開業医から処方された下剤が「酸化マグネシューム」という粉薬です。この下剤は医師は「よく効く」としか説明はありませんでしたが、新聞広告のように非刺激性とか。便状はプリゼニドより細め水分は多め、柔らかくなり優しく効くようです。(便秘と頻便は変わりません)
2017年12月6日朝日新聞・医療ページ「便秘」など参考にしてください。

------2019年1月期追記------
約1年前に処方された酸化マグネシュームは、一日3回30日分90包だった。あまり神経質になるのも良くない
とか。1週間くらい便秘することもあるので過敏になり過ぎないようにとのこと。
自然排便を主体に1年過ごしその後医者に行っていない。最近2日置きくらいに自然排便できている。腸の蠕動は副交感神経で働くという。体がゆったりした時に副交感神経は働くので、夜寝てから便意が来て、夜中にトイレに座ることことも多い。