新築から日が浅い地元医療の中核 岐大付属病院 エントランスホール
過日読んだ、京大原子炉実験所助教授小出裕章(こいで ひろあき)先生の本「原発のウソ」にがんのメカニズムが書いてあった。
”生命は細胞分裂しながら同じ遺伝情報を複製することで支えられています。自分だけの遺伝情報を複製しながら生きています。・・人間は1人1人違う。性別、顔、体、考え方、誰1人同じ人はいない。・・
・・一つ一つの細胞には核という部分がある。その中では父親から得た染色体と母親から得た染色体が23個ずつ鎖状に繋がっている。これら2本のDNA(デオキシボリ核酸)の鎖は二重らせん構造でねじれながら
チミン(T),アデニン(A),グアニン(G)、シトミン(C)という四つの塩基でハシゴ状に繋がれている。このハシゴがどんな並び方をしているかによってその人の遺伝情報が決まる。・・
細胞分裂のときに2本のDNAの鎖がスーッと分かれていって、片方の鎖がもう一方を正確に複製し、新旧が対になって元と同じ配列で繋がるのです。
・・DNAを太さ0.2mmの糸に拡大してみましょう。すると、一つの細胞の中のDNAの長さは全長180kmになります。東京~伊豆大島の距離になります。そして、その糸を正確に複製し、二重らせん構造で繋ぐことを想像してみてください。どんな化学工場でも絶対にできない精密作業が私たちの体内で行われていることがわかります。”
なるほど、がんというのは元の二階建ての家に複製するはずだった遺伝子が、ミスコピーするようになって、いつの間にか間違って10階建てのマンションに複製してしまう。といわれる所以だね。
また、(2011.12.26朝日 ドクタービジット 中川恵一東大準教授 横浜雙双葉学園 特別授業)では、
”16年前、がんで亡くなる人の割合は、アメリカも日本も同じだった。アメリカは年々減っている。ヨーロッパもそう。先進国でがんで死ぬ人が増えてるのは日本だけなんです。
日本の女性は86歳、男性は80歳くらいまで生きます。明治の始めの平均寿命は35歳くらい。がんが世界一増えた理由は、日本人が長生きになったためです。がんは老化だから、長く生きるほどがんが多いというのは当たり前なんです。”
がん、あたりまえのこと。死ぬときは死ぬ、当たり前のこと。「死もまた我等なり」(清沢満之)生死一体(しょうじいったい)生きるのも死ぬのもひと続き。何を恐れよう。
昨日大学病院の定期検診を受けた。