野鳥、旅、nature、
 ♪ 雲よ風よ空よお前たちは知ってるかい、触れ
 合う心に夢溢れくる、ほのぼのとした喜びを…。

 禁:無断転載





  多くの日本人が敬愛していたドナルド・キーンさんが一昨日別れを告げた。日本の文化、美意識を日本人
 以上にこよなく愛し、日本国籍を取得した巨星が逝った。ご冥福お祈りいたします。

  遡れば来日して日本文化に魅せられ日本の古典や言語の研究で日本を海外に紹介した偉人は数多い。
  明治初めに来日した英国人イザベラ・ルーシー・バード女史、日本の地方を廻り庶民の生活佇まいに多く
 の感銘を受け記録を残した。
  同じく英国の比較言語学者、バジル・ホール・チェンバレン氏はアイヌ語や琉球語を研究し、古事記を翻
 訳し明治時期の日本で近代的な日本語文典を作り出すのに尽力。
  またチェンバレンと親交のあったラフカディオ・ハーン(小泉八雲)日本民衆の古い伝承民話を元に創作
 した再話文学を発刊し日本の文学に多大な影響を残した。
  日本の美術を広めたアーネスト・フランシスコ・フェノロサ。近くでは日本言語を深く理解し、日本語の
 普及に取り組んだ元、東工大世界文明センター長ロジャー・パルバース氏。イタリア生まれ日本の古典研究
 に勤しむイザベラ・ディオニシオ女史。
  万葉集の英訳で全米図書賞を受賞し「日本語は特殊」は間違いと言うリービ・ヒデオ・イアン氏。
  国文学研究資料館長で活躍するロバート・キャンベル氏。

  日本に親しむ外国人は多い中で顧みるに現在の日本人自身の民度の劣化、見るも嘆かわしい…。
  新聞記事には腹ただしいニュースが毎日後を絶たない。弱者への虐待、如何に騙して金銭を巻き上げるか
 振込詐欺は増加し、防止スローガンはいたちごっこの様である。少子化が叫ばれている中、子供の自殺、虐待
 は第一に防がねばならない。防止の処方は色々出されているが、虐待が何故これほど起きるのか要因について
 はどこからも発信されない。原因を分析して対策をとるには少なく見積っても2世代かかる内容になるかもし
 れない。2世代とは100年か。 
  この2事例には根底に同じ悪玉コレステレロールが潜んでいるだろう。
  古い言葉であるが思い出して欲しい、「弱い者いじめをしない」「恥を知る」「お天道さんが見ている」「足
(たる)を知る」。
  こんな言葉は死語になったのだろうか。もひとつ大事な言葉がある、「ある時はありのすさびに語らはで恋し
 きものと別れてぞ知る」…流れゆく日常が平穏であればその中に重要な要素が無意識のうちに潜んでいる。
  当たり前なことでも失ってみて初めて、こんなものが、こんな事が大事であったか、と気が付くことが多い。
  日常の何気ない空気感の中で微妙な違和感をリーダーたる者は見逃してはならない。

  政治家や社会学者、法曹界など著名人の中から問題提起されてこないのは何故だろうか…。
  このままでは日本は家族や共同体の概念が益々薄れて行くだろう、キーンさんは天国で憂いているだろう。
  こんなこと想い巡らせているこの頃である。

 <2019.2.25>

  薄れ日のほほ笑みながら花は咲いて…少しだけ開花したヒマラヤユキノシタ。


 ホトケノザ群落の中に見かけない花一輪。

 

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