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映画好き、円柱野郎のブログです

「グラン・トリノ」を観てきました

2009年04月25日 19時43分22秒 | 映画(感想)
今日はクリント・イーストウッド監督の最新作、「グラン・トリノ」を観てきました。

いやー、参った。
この映画が制作されたのは昨年なんだけど、なぜ昨年度のアカデミー賞で無視されたのだろうか?
とんでもなく心に残る作品でした。

ホームページに書いた感想はこちら。(ネタバレありです。)


イーストウッドの作品は本当にハズレがない。
少し前の「ミスティック・リバー」や前作の「チェンジリング」も素晴らしかったけど、この「グラン・トリノ」は個人的には最高の出来だと思いますわ。

この映画の主人公はかなりの偏屈ジジイなので、彼の言葉には端々に蔑称が登場する。
その辺のニュアンスは字幕ではどうしても死んでしまうので、本当は言語が理解できればもっと面白く観れるんだろうね。
俺が聞いて分かったのは隣人である少年タオの名の語感に引っかけて、toad(ガマガエル)と読んでいたところくらい。
字幕では「トロ助」(頭のトロイ奴)になってました。
字幕は戸田奈津子女史が手がけてますが、まあスラングの訳は難しいから、こればっかりはニュアンスが死んでも仕方がないか。

映画の序盤から中盤は偏屈ジジイと周囲の人たちの交流が描かれて、そのあたりが面白く笑えます。
思わず声を上げて笑ってしまう場面も多々あって、イーストウッド作品にしては珍しいベクトルの楽しさがあったかな。

ところがラストになると一変して、もう感動の涙、涙。
隣に座っていた年配の人なんて、終盤はずっと男泣きの号泣ですよ。
俺はそこまでではなかったけど、でも泣けたなあ。


そんな隣の席の方、終劇後に明るくなってから俺に話しかけてきたんだよね。
「良い映画だったね…。」
知らない人なので、一瞬面食らってしまったけど、俺も
「ホントですね…。
イーストウッドの前の映画も良かったですけど、これはホントに…素晴らしい作品でしたね。」
と応えたら、
年配の方は
「ああ、素晴らしい映画だった、もう一回観たいと思う映画だったよ…。
ありがとう。」

最後の「ありがとう」は、思わず話しかけてしまったのにちゃんと俺が応えた事への感謝かな。
一般の劇場で何百回と観ても、こういう出来事ってほとんど無い(俺自身、話しかけられたのは2回目)けど、でもこういう映画ファン同士の交流が起こりえるから劇場に行くのを止められないんだなあ。


今日は良い映画を観られて、そして映画ファン同士の素晴らしい経験もできた。
クリント・イーストウッド監督、素晴らしい時間をありがとう。
コメント
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