初心者のクラシック

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ヨハネス・ブラームス(第10話)

2007年02月14日 | 作曲家の生涯
たまには、作曲家の生涯にふれてみてはいかがですか?

今日はヨハネス・ブラームス(第10話)です。

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【Johannes Brahms】

ドイツ・レクイエムは大喝采を浴びることになりますが、この大成功がブラームスにどんな影響を与えてしまうんでしょう?今日はそんなお話です。

(第10話)【ブラームスとワーグナー】
 ブラームスがブレーメンで「ドイツ・レクイエム」を初演した同じ頃、ドイツ南部のミュンヘンではワーグナーが「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の初演を行っていました。

 同時期に別の作曲家が自作の初演を行う事は、同時代を生きる作曲家同士であれば、それほど珍しくない事のはずですが、実は当時のドイツでは音楽の作風をめぐって対立が起こっており、ブラームスとワーグナーがその渦中の人となり、ドイツ音楽の話題の人になっていたのでした。

 そんな二人の初演が同時期に行われた事により、熱い論争が繰り広げられる事になるのでした。

 対立の内容としては、少し前にリストが音楽にタイトルをつける「交響詩」という新しい分野を開拓した事に対して、シューマンがこれに反発し、音楽を純粋に楽しむためにはテーマ性は必要無いと主張した事がきっかけとなり、革新派と保守派に別れた形となります。
 その後、リストと共にワイマールで音楽活動を行っていたワーグナーがその後継者とされ、一方シューマンによって雑誌で大きく取り上げられたブラームスが彼の後継者とみなされるようになり、二人の作風が対立して取り上げられる事になっていったようです。

 革新的な音楽を追及したワーグナーと古典的な作風を愛したブラームス、両者の作風をめぐった対立は、当時の周りにいた人物によって一層激しくなっていくのでした。

 こうして当時の音楽評論家や指揮者たちがふたりを担ぎ上げて、両者の音楽を批判し合っていましが、当の本人たちは・・・、

 ワーグナーは20歳も年下のブラームスの音楽を引き合いに出されて批判を受けるのは、当然気持ちのいいものであるはずもなく、「若いくせに古臭い音楽ばっかり作曲して、ちょっとくらい売れたからっていい気になるなよ」ぐらいには思っていたのかもしれません。周りに乗せられてブラームスの音楽を批判する事もあったようです。

 しかし、一方ブラームスは逆に20歳も年上のワーグナーに対して、半ば持ち上げられたような形で対立図式を作られてしまい、ワーグナーの音楽に対して何かを言うにも、周りを気にしながらの発言になってしまっていたようですが、年が若い分だけブラームスの方がワーグナーの音楽を冷静に評価して、彼に敬意を払う形で発言していたようです。

 こうして、「ワーグナーvsブラームス」の論争が物議をかもし出しす前に、実はこのふたりは過去に一度会っいたのでした。1864年ウィーンに居たワーグナーを訪ねたブラームスは彼の前で自作のピアノ作品まで演奏していたようです。
 若いブラームスの作品を聴いたワーグナーも、この頃にはブラームスに対しても一定の評価を与えていたようです。



う~んかつてはいい出会い方をしていたはずのブラームスとワーグナーなのに・・・よもやこんな形で論争を巻き起こしてしまうとは、人間関係っていつも微妙ですよね。
このつづきはまた明日。

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