夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

定点観測

2017-06-12 21:44:38 | 日記
私は「定点観測」と名づけて、自分の授業に出ている学生のうち、特に優秀な者を選び、そのノートや小テストなどを定期的にコピーして、学生たちが私の授業をどう受け学んでいるかの参考資料にしている。

この4月から開講した源氏物語の授業でも、一人、優秀で受講態度もよい女子学生を選んで、毎回その小テストを秘かにコピーさせてもらっていた。
こうした学生は、私が意図した以上に、授業の内容をうまく整理しまとめてくれているので、後からその授業を振り返ったり、次にどう教えたらよいかを考えたりすることの参考になるのだ。


先日、試験前の授業で、それまでの範囲をおさらいするとき、この学生の小テストのコピーを利用して説明させてもらった。
ところが、授業後にその学生が友人と連れ立って質問に来たとき、しまい忘れていたそれを見つけられてしまった。

「あれ、私の小テスト。なんでここに…。」
すると、彼女の友人が、
「これ、コピーっぽいよ。」

私は観念して、実はかくかくしかじか、と説明したが、ただし、その女子学生を特に優秀だと思っているからだ、というところは伏せておいた。

彼女は、ふうん、という反応だったが、別にイヤそうな感じではなかったのでホッとした。
それにしても、私が不注意だったとはいえ、こういう展開は非常に心臓に悪い。