夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

講演会 その後

2017-02-14 22:43:52 | 日記
先日、私が講演会をしたことが、地域紙の記事として取り上げられていたと、職場の先輩の先生から教えていただいた。

拙い発表だったのに新聞に載ったのが、かなり気恥ずしかったこともあり、
「いや、私がメディアに取り上げられる機会なんて、先生の比じゃないですから。」
と思わず謙遜すると、(実際、その先生は頻繁に、教育活動や社会問題に関する意見が新聞等に掲載されている。)
「私の方こそ、先生のようにちゃんと資料に基づいて研究した内容ではありませんから。」
と言われた。


それを聞いて、自分の研究がなかなか進まないからといって、必要以上に恥じることはないのだと思った。

一次資料を解読し、その解釈を検討した上で、文学作品としての価値を考究し、文学史・研究史の中に置いたときに何が見えてくるのか見定める、といった一連の作業にはそれなりの時間がかかるし、かけなければきちんとした研究にはならない。
成果主義がやかましく言われる現今の状況だが、愚直に見えてもこうした研究上の手続きを疎かにしてはいけないし、ちゃんとやっていれば、どこかでそれを見ていて評価してくれる人もいるのだなと思った。

この先生は、人の長所を見つけて褒めるのが得意だし、職場である嫌なことも、ユーモアに包んで愉快なネタにしてしまう名人なので、なんとかあやかりたいと思っているのだが、なかなか……という感じである。