ドロンさんは50年近く自分の目標とする師匠のような存在でした。
2007年にパリの舞台『マディソン郡の橋』の楽屋で初めてお目にかかった時の事をまるで昨日のことのように鮮明に記憶しています。
スターとしての鮮やかな立ち居振る舞いを見せながらも、決して偉ぶらない謙虚さ、ファンを愉快な気持ちにさせてくれるサービス精神と優しい気遣い、驚くほど力強い握手、肩に手を回したときに感じた想像以上にゴツい体格、身長の低い私に対して正面から前屈みになって話を聴いて下さった笑顔と、最後の別れ際のチャーミングなウィンク。
この人のファンであったことは間違いではなかったんだという確信を当時44歳だった私は持つことができました。
改めてご冥福をお祈りいたします。
天国ではロミーさん、ナタリーさん、ミレイユさん、ベルモンドさん、ヴィスコンティさん、クレマンさん、メルヴィルさん、三船さん、ブロンソンさん、ドレーさん、ギャバンさん、ヴァンチュラさん、らが盛大に出迎えてくれることでしょう。