陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

石川知裕衆議院議員の逮捕

2010-01-16 22:47:48 | 国内政治:議会と政党
 今シーズン3回目の寒波襲来、1月13日は-42℃の寒気団が日本列島をすっぽりと覆い、鹿児島でも10cm以上の降雪があった。東京も久し振りにマイナス気温となり、震え上がったことであろう。当地の降雪は、今回6時間で25cm程度、年末年始に降った雪が残っていたから、積雪量は65cmを記録。

 車庫の屋根の雪下ろしをして、汗の始末もしないままに過ごしていたら、風邪気味になった。丸1日ベッドに横たわり、漢方薬(葛根湯)を飲んだ。もうすっかり良くなったが、この間にJALの法的処理発表、ハイチの大地震など、大きな話題が報じられた。

 1月15日午後5時過ぎ、石川知裕衆議院議員(36)が政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕された。彼は、小沢一郎幹事長の元私設秘書で、政治資金管理団体「陸山会」の会計事務担当者。東京地検特捜部の3回目事情聴取の直後であった。同時に、もう一人の元私設秘書池田光智(32)も逮捕。

 地検特捜は、相当な資金移動情報を把握しているに違いない。当然「陸山会」本部は強制捜査され、ゼネコンの鹿島建設本社へも強制捜査の手が伸びた。

 石川被告の上司であった大久保隆規・公設第1秘書(48)は、翌日釜石市で逮捕された。これで元秘書と合わせて、3人の小沢側近が逮捕されたことになる。

虚偽記載容疑、大久保秘書を逮捕 小沢氏の関与捜査へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100116/crm1001161041014-n1.htm

 小沢幹事長は、急遽鳩山首相と会談、幹事長としての続投を約束させた。今日(1/16)の日比谷公会堂における民主党大会では、身の潔白を訴え、東京地検への「宣戦布告」を行った。

 民主党の支持、不支持とは関係なく、多くの国民は、小沢の不動産取得プロセスと資金移動の実態を知りたがっている。身の潔白を訴えるなら、地検特捜の呼び出しに応じてきちんと説明し、それを国民に示せば良いだけのことだ。彼は、特捜による事情聴取がそれ程怖いのだろうか。

 この段階になっても、なお権力にしがみ付こうとする小沢の卑しさを哀れに思うのだが、鳩山首相を始めとして、政治とカネの関係を透明化しようと努力する民主党議員は、どうやら不在のようだ。

 田中角栄の「ロッキード事件」、竹下登の「リクルート事件」、金丸信の「佐川急事件」と、小沢の政治的恩師達は皆疑獄事件で失脚している。小沢も、何れはそのような末路を辿り、次第に支持者が離れて行くだろう。彼の政治権力が弱まって、外国人参政権法案が空中分解することを心から願ってやまない。(敬称略)


(追記:1月17日)

 ヤフーがネット調査した結果が発表されている。小沢氏の議員辞職を求める票は民主党支持者を含めて、全体の7割を越したとのこと。

ネット調査「小沢氏辞職を」7割
2010.1.17 00:56

 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件を受け、ヤフージャパンが16日に始めたネット調査の結果、17日午前0時現在、小沢氏の「議員辞職」を望む声が約7割に及んだ。また、小沢氏続投が政権や民主党にとって「マイナスになる」とする意見は約8割を占めた。辞職を望む声は民主党支持者からもあり、小沢氏を“擁護”する鳩山由紀夫首相らの意見と大きく食い違った。

 調査はヤフーが運営するサイト「みんなの政治」や「ヤフーニュース」内で実施。元私設秘書で衆院議員の石川知裕容疑者(36)の逮捕を受け、「小沢氏に望む対応」を聞いたところ、「議員辞職」が71%にあたる1万4316票を集めてトップになった。回答者の支持する政党は「民主党」が22%で「自民党」が26%、「特にない」は40%だった。

 また、「小沢氏続投は政府・民主党にとってプラスかマイナスか」と聞いた質問では、「マイナス」が79%にあたる2万5543票を獲得し、2位の「プラス」(8%)3位の「どちらかというとマイナス」(6%)など他の項目を圧倒した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100117/crm1001170058000-n1.htm
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2 コメント

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日本はこんなことで大丈夫でしょうか (unerose)
2010-01-16 23:47:00
おっしゃるとおり、本当に小沢一郎の卑しさは呆れるばかりです。小沢一郎が国民に向けて発している言葉のこれほどまでのインチキさ、そして、彼に何も言わない民主党。
 ここまで日本国民と日本国を愚弄している人物に権力を握らせていることの危険を、なぜ多くの日本国民は気がつかないのでしょうか。それほど日本国民は、自ら考える能力、判断力がないのでしょうか。このようなことで、今後、これからの厳しい国際社会を、生き延びていけるのでしょうか。
 その結末を知り得る立場から、過去の戦争を招いた世代を非難し、能天気に「平和」を唱え
る人々がいます。私たちは、私たちの目の前に差し出される、解答を与えられない問題を解いていかなければなりません。過去の戦争を非難するような簡単な問題は出題されません。こういう問題こそが、私たちが解かなければならない問題なのではないでしょうか。(私が山田太一氏の「終わりに見た街」に衝撃を受けたのは、「反戦」という問題にではなく、登場人物や自らの「能天気」さを思い知らされたからでした。)
 文芸春秋2月号の中西輝政氏の「小沢一郎『天皇観』の異様」は私のような者にも理解しやすく、多くの人々に読んでもらいたいと思います。
 (先日の「汚れなき悪戯」も楽しませていただきました。本日は、人さまのブログへのコメントの域を越えて書きすぎました。お許しください。)
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回復には時間が掛かりそうですね (茶絽主)
2010-01-17 14:41:16
unerose 様

 貴重なコメントを有難うございます。長い内容は、全く気になさらないで結構です。

>ここまで日本国民と日本国を愚弄している人物に権力を握らせていることの危険を、なぜ多くの日本国民は気がつかないのでしょうか。それほど日本国民は、自ら考える能力、判断力がないのでしょうか。このようなことで、今後、これからの厳しい国際社会を、生き延びていけるのでしょうか。

 私も、それがとても気になります。敗戦後、マッカーサー指令により、一億総懺悔に始まって、日本の伝統は時間を掛けて徐々に価値低下が図られた。また「吉田ドクトリン(軽武装+経済志向)」は、破壊された国土を回復し、国富を取り戻すために止むを得なかったと思います。だが、「公概念」が疎かになり、道義心が薄れて、国家自体を考える機会が減った。それは、戦後民主主義教育が付け入る隙を与えた。

 現在の小鳩政権は、実に畸形ですが、反面教師的側面に富んでいます。昨年暮れからの普天間基地移設問題で、より多くの国民が改めて国家安全保障のあり方に関心を寄せるようになったと感じます。更に、外国人参政権問題で、日本人は改めて国のあり方に考えを深めると予想しますが、油断はなりません。

 山田太一氏の小説とTVドラマ<終わりに見た街>を観賞してはいませんが、旧帝国軍人の負の側面、いびつな精神状態を強調しているのでしょうね。

 文藝春秋2月号に掲載された中西輝政京大教授の論考を知りませんでした。これから読んでみます。ご教示に感謝をいたします。
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