コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

シャアの帰還 part5

2015年01月20日 | ゲームブック
324:
 私はカイの言葉を思い出し、封筒を取り出すと男に渡した。渡された
男は直ぐに奥へと引っ込んで行く。その間、男共に囲まれ、私は黙って
待っていた。余り気持ちの良いものではない。が、取り敢えず手出しは
無用と考えた。
 ややあって、金髪の女性が現れた。私は言った。
「ご丁寧なことだな。私の容疑は晴れたのかな?」
「失礼はお許し下さい」
 その女性は、静かに頭を下げた。好感の持てる物腰だ。彼女は続けて
言った。
「しかし、ここは商店なのですよ。いきなり正面玄関から入って来て、
機密を要する用件を伝えるというのは、少し乱暴なやり方ですわ」
「なるほど。私も少々、不作法に過ぎたようだ。済まない。それで、貴
女は…?」
「申し遅れました。私はルオ=ステファニー。ルオ=ウーミンの娘で、
ルオ商会の名代を務める者です」
 ルオ=ステファニーはしなやかな手つきで、私を招いた。
「どうぞこちらへ」

183:
 案内された部屋には、ひとりの男が座っていた。律儀な成りをしてい
るが、武骨な風貌は正しく退役軍人のそれだった。私が入って行くと、
男は立ち上がって握手を求めた。
「私はゴダール。大佐、お会いできて光栄です」
「こちらこそ。世話になる」
 ゴダールという男は、一年戦争時代、彼の猛将の直属の部下として働
いていたようだ。その後は、私と同様にアクシズに隠れていたらしい。
 さらに私が何者かに狙われ、レオンハルトが殺された話をすると、ゴ
ダールは曇った表情になった。
「大佐を襲ったのは、恐らく『猟人(ハンター)』の連中でしょう」
「『猟人』?」
「民間レベルの、ジオン残党狩りの組織です。旧世紀時代、所謂第2次
大戦終了後、ユダヤ人によるナチス残党狩り組織が存在していたのを、
ご存じですか。『猟人』は、ほぼそれと似たような組織です。ただ、最
近どうも連邦軍の一部の将校が組織に荷担しているらしいのです…」
「軍の連中は…戦争がなくて、暇なのだよ」

233:
 私はそろそろ本題に入った。
「そこで、だ。私は貴公の上官であった、ダンジダン将軍に是非とも、
お会いしたいのだ。何とか連絡をつけては貰えないだろうか」
 ゴダールは眉根を寄せた。暫く考えている様子だった。ややあって。
「実は将軍の居場所は、私も知らんのです。が…恐らくトウキョウのエ
グムに行けば、何らかの情報が得られるのではないかと」
「エグム…反地球連邦運動組織か」
「はい。後、一般客に紛れてシャトル便に乗り、グラナダで情報を収集
する、という手もあります。しかし、その場合だと『猟人』に狙われる
危険が高い。エグムであれば、何らかの保護措置を行ってくれる…と思
います」
「そうだな。貴公の言葉を信じよう」
 丁度、食事が運ばれて来た。久し振りの地球の料理に舌鼓を打ちなが
ら話は続いた。
 ふと、ゴダールが言った。
「そうだ。トウキョウへ行かれるのなら、連れて行って頂きたい人物が
おるのですが」
※ゴダールはちょっと神経質そうな人物で、眼鏡をかけています。
 一年戦争でズゴックに乗っていた人とは別人だと思いますが…。

088:
 やがて、ひとりの若い娘が現れた。
 年の頃は…24位だろうか。漆黒に近い髪は、首の後ろで緩やかに束
ねられている。東洋系らしい切れ長の眼。その瞳は頭髪と同様に黒い。
<この娘は、一体…?>
 私の心の問いに、ゴダールが答えてくれた。
「この者は、エグムの連絡員なのです」
 ゴダールが紹介する。娘が軽く頭を下げる。
 落ち着いた動作だが、幾分緊張気味の様子である。
「トウキョウ迄、ご一緒させて頂く訳には参りませんか?」
・承諾する:144
・断る:126

144:
「私は構わんが…安全の保証はできかねるぞ」
「お受け頂けるのですか」
 娘の硬い表情が一瞬、緩んだ。
「あっ、有難うございます!」
 その様子に、私の口元がほころんだ。素直な、良い反応だ。
<まだ、男を知らないな…>
 生の感触が伝わって来る。直接的過ぎるが、不快ではない。
「ユカ…と申します。お願いします」
「クワトロ=バジーナだ」
 私たちは軽い握手を交わした。フッと、心の中にザラついた感触を覚
えた。気のせいかも知れないが…。

ちゅーこって、ユカさんと東京まで行くことになります。
コメント
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