もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

タカにも思い出が

2011-03-06 22:31:40 | Weblog
   タカにも思い出があるだろうと、中・高等部時代の入所施設「啓佑学園」と卒業した「光明養護学校」(今は支援学校と呼ぶ)に連れて行った。
 
 学校の方は休みのため門扉はかたく閉じられていたが、施設では10時の休み時間。
 タカは、グラウンドで散歩や凧揚げをしている子どもたちを見かけると車から降りてフェンス越しにじっと眺めていた。
 「知っている人、いるの?」と訊くと「うん」と言うが定かではない。

 玄関前に止まって「入りたい?」と訊くと「うん」と。
 事務室には誰もいない。
 玄関に入ると、かって知ったる何とやらで入っていた棟に向かって走り出す。
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 なつかしいんだ!

 この施設は、入所者の出入り口は玄関以外どこも施錠されている。重度者が多いのだ。
 ブザーを押そうか迷っていると、お迎えのお父さんがやってきて押した。

 職員が鉄のドアを開いた。
 「以前お世話になっていたタカです。」と言うと、当時の職員がきて入れてくれた。
 当時の仲間が4・5人残っているといわれたが、互いに言葉はない。
 
 あのころのタカの定席はテレビの前だったが、今は知らない人。タカは突っ立っていた。
 小生の前に一人の男性が来て両の手をとって、ピョンピョン跳ねだした。

 以前からいた人だ。覚えていたのかなぁ・・・
 あのころは、突然顔を引っかきにきていたのに、背も伸びて大人になられた。
 何年前だったか、学校からお父さんと手をつないで飛び跳ねながら玄関に入っていった後ろ姿を思い出す。あの時、胸がジーンと熱くなったことが蘇ってくる。

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 養護学校は道路一つ隔てた所にある。
 ここは、歩くこともできない知的障害児から軽度の知的障害児まで受け入れているので教職員が大変苦労している。重い腰痛もちになる人も多い。 

 帰りの車の中で
 「なつかしかった?」「うん」。
 「また来たい?」「うん」。
 タカにも掛けがえのない大事な思い出があったのだ。<emoji code="a001" /><emoji code="a005" />