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幽霊たち

2013年03月04日 22時56分45秒 | 書籍



【書き出し】

まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。
ブラウンがブルーに仕事を教え、こつを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。
物語はそのようにしてはじまる。

探偵ブルーは依頼人ホワイトから、ブラックなる人物を監視してほしいとの依頼を受ける。
そのブラックを監視しても何も起こらない、しだいにブルーは混乱していく・・・

なにも特別な事件は起こらない探偵小説・・・
クールで頭脳明晰で冷静沈着な主人公ブルーが次第に追い詰められていく小説(笑)

でも、面白いです・・・こういうアイデアでのまとめ方は意外性での勝負ですが
ポール・オースターはスマートでまとめ方が上手いのでシュールな内容が映画のシナリオのような印象ですね。

でも、これって映像作品にしてしまっては退屈なんでしょう・・・多分。
文学で読み、読む者のイマジネーションでラストまでグイグイ持っていって余韻を楽しむ。
そのような印象を受ける作品です。


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