【書き出し】
まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。
ブラウンがブルーに仕事を教え、こつを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。
物語はそのようにしてはじまる。
探偵ブルーは依頼人ホワイトから、ブラックなる人物を監視してほしいとの依頼を受ける。
そのブラックを監視しても何も起こらない、しだいにブルーは混乱していく・・・
なにも特別な事件は起こらない探偵小説・・・
クールで頭脳明晰で冷静沈着な主人公ブルーが次第に追い詰められていく小説(笑)
でも、面白いです・・・こういうアイデアでのまとめ方は意外性での勝負ですが
ポール・オースターはスマートでまとめ方が上手いのでシュールな内容が映画のシナリオのような印象ですね。
でも、これって映像作品にしてしまっては退屈なんでしょう・・・多分。
文学で読み、読む者のイマジネーションでラストまでグイグイ持っていって余韻を楽しむ。
そのような印象を受ける作品です。
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