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悪者見参

2013年03月04日 21時58分07秒 | 書籍



「サッカーは国と国との代理戦争」を地で行くルポタージュですね。

バルカン半島の火薬庫と言われたユーゴスラビア連邦共和国のサッカー代表を通じて
民族紛争とサッカー選手たちのメンタリティを描いているのが興味深くて、著者の非常に熱い気持ちが伝わる。

東欧の歴史や民族の紛争など専門的に勉強しなければ中々知りえない知識だと思うが
政治に翻弄されるスポーツ選手の境遇や国家分裂後のサッカー国際試合など凄い内容です。・・・

この境遇や現実はイングランドとアルゼンチンのフォークランド紛争や
日本と韓国の歴史、またはレアル・マドリードとバルセロナのダービーに通じるものがあり
(実際にはもっと深刻で一触即発の事態だったのがよく分かります)
本当にサッカー代表というのはスポーツ精神以上に国家の威信を背負っていると思います。
これが代理戦争と言われる所以じゃないかと思う・・・

日本人には理解しがたい東欧の歴史や民族紛争を解り易く追ったこの本書は
ルポタージュとしては今まで読んだどのスポーツノンフィクションよりも
強烈に印象深い内容でした。 

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