ミュージシャンの伝記映画ですが、よく出来た作品だと思います。
死後の有名人を映画にする時によく、実はこうでした、本当はこんな繊細な人でした・・・など
パブリックイメージを覆して、なぜか真実路線でいく作品が多いんですが。
監督のアレックス・コックスはシドとナンシーの破滅的なラブ・ストーリーをファンタジーにしているところが凄いです。
シド・ヴィシャスは存在自体が伝説ってよく言われるけど、伝説って人々の思いが形成していくものであって
本当は母親想いで真面目で内向的だったかもしれない・・・(っていうシーンも在ります)
ですが、パンクロックの象徴になれたのは破滅的な言動や刹那的な生き方を貫いたところにあるのではないかと
この作品を観て感じましたね。
しかもこの作品は随所にファンタジー的に魅せる演出やシーンが多く、どこまで行ってもシド・ヴィシャスはかっこいい(笑)
シドを演じたゲイリー・オールドマンの演技も素晴らしくて文句の付けようがないです・・・
彼が出演しているコッポラの【ドラキュラ】も観てみたいです・・・
久しぶりに観てみましたが、パンクロックは興味ありませんけど、破滅的なミュージシャンの生き方として
面白くてとても見応えある作品でした。