俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

鴨(3)

2009-12-27 | 俳句・冬・動物


水皺を作りて鴨の進みけり

鴨は海、河、湖、沼などに群れて冬を越す。東京の水元公園の大きな池にも毎年鴨が飛来する。すぐ近くを鴨が泳いでいた。真鴨の雌だが、こちらをちらりと見て背を向けた。雄と番(つがい)となって泳いで行ってしまった。胸で割って進む鴨に水皺が尾を引くようにできていた。

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進みゆく夕日の中の番鴨


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金黒羽白

2009-12-26 | 俳句・冬・動物


伝説の池に金黒羽白かな

ガンカモ科の鳥で、翼長約20cm。暗褐色で腹部は白い。ユーラシア大陸の北方から冬鳥として渡来。巧みに潜水し、貝や昆虫類を食べる。戦国時代に上杉家に攻められた豊島家が財宝を馬の鞍に結び、入水したという伝説のある三宝寺池に、金黒羽白が浮かんでいた。今では、石神井城の土塁だけが往時を偲ぶよすがとなっている。

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金黒羽白の水輪に雨の降つてきし


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都鳥

2009-12-25 | 俳句・冬・動物


空の蒼映りし池や百合鷗

カモメ科の百合鷗をさして都鳥と呼ぶ。『伊勢物語』の≪名にし負はばいざ言とはん宮こどりわが思ふ人は有りやなしやと≫の歌に由来し、隅田川に浮かぶ百合鷗をいう。従って、隅田川以外では都鳥ではなく百合鷗として詠った方がよいようである。池が青空を映して青かった。白い百合鷗がよく映えた。

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都鳥止まるや橋の欄干に


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浮寝鳥

2009-12-24 | 俳句・秋・動物


夢を見てゐるやもしれず浮寝鳥

浮きながら寝ている鳥をいう。真昼の日を受けて鴨が水の上で寝ていた。波と風で少しずつ流されているように見えるが、周りの鴨も寝ているので、一向に気にならないようである。気持ちよさそうに寝ているので、夢でも見ているのではないかと思った。

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平らかな真昼の池や浮寝鳥


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冬木立

2009-12-23 | 俳句・冬・植物


見上ぐれば雲流れをり冬木立

葉の落ちて寒々とした冬木の群れをいう。「冬木」のように一本か数本のものではなく、ひとかたまりをなし、枝の間から空が透けて見えるような木立の群れ。メタセコイアの群れがあった。真っ直ぐに天に伸びて、見上げると目も眩むほどに高い。その上を白雲がゆっくりと流れていた。

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歩く人ゐて対岸の冬木立


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