ビオラのつれづれ記

大好きなお花のこと、
日常のちょっとしたことなどを書き留めています。

スペインの旅(3)プラド美術館

2019-03-31 20:31:17 | スペイン旅行

プラド美術館はスペイン王室のコレクションを核に35000点もの所蔵作品をもつ

世界3大美術館の一つとも言われ、有名なベラスケスや、ゴヤ、エル・グレコをはじめ

ティツィアーノ、ルーベンスetc、多くの有名絵画が収蔵されています

 

2時間の見学時間内では到底廻りきれないと現地ガイドさんに誘導されて

代表的なものに絞って見て回りました。

ベラスケス 「女官たち」

 絵の中にはいろんなものが隠されていてその説明を聞いて一層興味深く鑑賞することができたような。

中央のマルガリータ王女には明るい光をそして周りの人物は暗くするという陰影法は

室内の奥行を感じさせる空気遠近法という技法だそうで

絵に近づいたり離れたりして見てみると離れれば離れる程絵の奥行が増しているのがわかりました。

実物を間近で見ることができたからこその実感でした。

 

ゴヤ「裸のマハ」と「着衣のマハ」

  

この二つの絵は 裸のマハが先に描かれました。

着衣の方は当時人物の裸体画を持つことは禁止されていて

「裸のマハ」の絵をカモフラージュするため同じ構図の「着衣のマハ」が描かれたのだそう

裸体画はそれまでにも多くあったように思いますがそれらは全て神話の世界の物語上のもので

実在する人物の裸体画は禁止されていたのだそうです

ゴヤはこの絵を描いた事が露見し数年後異端諮問にかけられました。

今でこそ普通に描かれる裸体ですがこのゴヤの絵が初めての物だったと知りました。 

 

またゴヤは「見たままに描く」ことをモットーにし、たとえ国王でも王妃でも美男美女には描かなかったのだとか

「カルロス4世の家族」では恐妻家の風貌たっぷりの王妃と頼りなさげな国王の姿がそのまま描かれているのが面白い

  

 

エル・グレコはギリシャ出身で本名はほかにありますが「あのギリシャ人」という意味のエル・グレコが

通称となっていたのだそう

宮廷画家を目指したエル・グレコでしたが時の王フェリペ2世には奇抜な構図と非現実的色彩が評価されず

夢がかなわなかったのだとかでも赤、青、黄などの極彩色が美しく実際以上に長い体を持つ聖人たちの宗教画は

宗教家や知識層には受け入れられて多くの作品を残しています。

   

  「聖三位一体」         「受胎告知」        「胸に手を置く騎士の肖像」

胸に・・はここでは数少ない肖像画でした。

この絵は美術館ガイドの表紙にもなっていて代表作でもあることを物語っています。

黒一色で描かれた絵ですが絵の前につと暗さはなく人物はくっきりと浮かび上がってみえ

首と袖口の白いレースが顔と手に効果的な絵でした。

ガイドさんの絵にまつわる裏話的な話は興味深く、ただ名画を眺めるだけでは得られない面白さがプラスされた

プラド美術館でした。

 

*ちょっとピカソについて*

  ピカソは難産で死産だと思われ放置されていたのを医師の叔父がたばこの煙をふきかけたら

  息を吹き返したんだそう

  もしそれがなかったらピカソはこの世に存在しなかったという奇跡が

  世界的大芸術家へつながっていたのにびっくりでした。

  また彼が恋多き芸術家であったことは周知の事ですが彼の作風が変わる時には必ず

  女性が関係していたらしいことも今回知りました。

  スペイン内乱でバスク地方のゲルニカが無差別的爆撃されたことに抗議して描かれたのが「ゲルニカ」ですが

  パリに在住していたピカソは共和国側を支持していてフランコ将軍を嫌悪し  

  フランコが生きている間は一度も生まれ故郷であるスペインの地を踏まなかったという徹底ぶりだったそうです。

 プラド美術館の近くににはソフィア王妃芸術センターがありそこにあるピカソの「ゲルニカ」

 見てみたかった~ です

 

   

           美術館の後はおしゃれなレストランでランチ

           スペインでは野菜は結構豊富に出てきて皆喜んでました~

  

            デザートは丸のままの焼きリンゴ

 

        スペイン広場

 ここが数あるスペイン広場の本家本元ですとガイドさんが強調してました

セルバンテスの没後300年を記念して作られた広場でドン・キホーテとサンチョ・パンサの像が立ち

その背後で作者セルバンテスの像が二人を見下ろしています。

多くの人が訪れる撮影スポット

「撮影に夢中になっているとスリに狙われます、気をつけて」と言われている最中

「ほらほらあの娘たちがスリよ」ガイドさんには顔なじみ?の若い女性二人が仕事にやってきたみたいでした

獲物を物色中のようでしたがそのうちポリスがやってきて、彼女たちもいなくなりましたが

もう顔を覚えられているほど頻繁に出没してるのねぇ

皆一気に気を引き締めました。

この広場の向こう側に王宮がありましたがバスの中から眺めただけで残念ながらここへは行きませんでした

世界屈指の規模の王宮だそうですが今国王は別の場所に住み公式行事の時のみ使われているそうです

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16 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kazuyoo60)
2019-04-01 07:15:38
代表的な絵ですね。小さな王女様、着飾った生活が常だったのでしょうね。本物をご堪能なさった後は美味しそうなランチ、良いお時間です。
王宮、広場、建物群が綺麗です。
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美術の宝庫 (だんだん)
2019-04-01 12:21:18
美術館巡りで私もご一緒したようでした♪
馴染みの絵画をこれでもかとご覧になって、贅沢だわ~(^^)
遠近法や向きなど、凄く勉強にされて造詣が深くなりましたね。
夫が出張しては美術館へ行き、プラド美術館は宝物もあり最高だと言ってました。
裸のマハ、着衣のマハの模写を買い、帰国後に額縁をはめるのが高くつきました(笑)
馬上のドン・キホーテとサンチョパンサ、オペラが見たくなります。
ピカソは奇跡の画家なんですね!

食事がどれも素晴らしい♪
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Unknown (オッキィ)
2019-04-01 21:29:30
海外では、美術館の素晴らしさに感動しますよね。

ピカソのエピソードには、びっくりするやら、「へぇ~~」と感心やらですね。

私も『ゲルニカ』が見れなかったのが、本当に残念だったわぁ!
帰国後に原田マハの「暗幕のゲルニカ」を読んで、ますます見たい気持ちが募りました。

建造物の素晴らしさにも、目を見張るものがおおかったなぁと思い出しました。
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Unknown (tkgmzt2902)
2019-04-01 21:44:25
ベラスケスからスリまで、盛りだくさんの内容はまさに海外旅行ならではですね。
旅行する旅に時間が足りなかったのを思い出します。
それから、収蔵品35000点からみると最初の「トレド美術館」は「」プラド美術館」では?
最後の方には「プラド美術館」と表記されてますが。
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★kakzuyoo60さま (ビオラ)
2019-04-01 22:37:44
教科書に出てくるような名画がずらりの美術館
でもただ眺めるだけでは到底知り得なかったいろいろなエピソードや技法などが聞けて
うれしいガイドさん付きでした。
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★だんだんさま (ビオラ)
2019-04-01 22:46:36
前評判通りの素晴らしいプラド美術館でした
ただ広すぎて迷子になりそうでした(;^_^A
裸の絵を隠すために同じ構図の着衣の絵が描かれたとはびっくりでした
マハの絵の模写を買って額縁代が高くつきましたか
でも堂々と飾ることができる今の世はうれしいですね
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★オッキィさま (ビオラ)
2019-04-01 22:52:43
ピカソのいろいろなエピソードを聞き
一層「ゲルニカ」を見たかったですが残念でした
時間の余裕がないツアーの悲しさですね
「暗幕のゲルニカ」はまだ読んでいません
私も読まなくては…です。
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★ちゃぐままさま (ビオラ)
2019-04-01 23:06:49
ご指摘有難うございます
プラドの間違いです、トレドことが頭にあってごちゃまぜになってしまいました(;^_^A
スペイン広場ではスリは未遂でしたが美術館から出てきた時は
パトカーが止まり警察官が犯人を逮捕の瞬間も見ました
どうもひったくり犯だったらしいです
外国での街歩きは注意が上にも注意ですね
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マドリッドとプラド (☆銀河☆)
2019-04-02 10:29:54
 本当にプラド美術館は一日いても飽きない位ですね。
特に「女官たち」・ラスメニーナスは
国民にも一番愛されている作品ではないでしょうか。
幼稚園ぐらいの子供たちが集団で見学していて、口々に「ラスメニーナス・ラスメニーナス」と連呼していました。
マハは、楽しみにしていたのに飾られておらず、がっかりしていたら、なんと日本の展覧会に貸し出し中でした。
ゴヤの部屋では今まで知らなかったすさまじい絵が飾られ、ショックを受けました。

小さい頃から名画を見る機会が多く、ゲルニカの前も、子供たちが「見慣れているよ」という感じで、たくさん通り過ぎて行きました。
内乱による悲劇と小さい頃から教えられているようで、名画に囲まれて育つ豊かさを感じました。

マドリッドは今まで行った中で、一番危険。
真っ昼間、南米の移民らしき物売りに追いかけられ、慌てて地下鉄の駅に逃げ込み、
また夜のレストラン帰りでは、花売りがついてきて、走って逃げました。
外国では楽しい事も多いけれど
油断も隙も無いと言う経験もしました。

王宮はただ白いと言う印象しかなく、
外観見学だけで充分かもしれません。
スペイン広場、行った記憶ナシ。
初めてのフリー旅行だったので、
美術館以外見落としたものが沢山あったようです。
スペイン旅行、歴史に深みがあり、ビオラさんどこに行っても楽しそうですね。また行きたいです。
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Unknown (moka)
2019-04-02 15:32:36
ビオラさん、☀こんにちは☀
まるでプラド美術館に行った気分です。
ビオラさんのブログがよくわかるように書かれていますもの。
本物は素晴らしかったでしょうね。
プラド美術館のおすそ分け ありがとうございます。
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