水の門

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歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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動物・七首

2010年04月17日 15時01分20秒 | 投稿歌
先ほど、来月十日締め切り分の歌稿を投函してきました。テーマは「動物」です。
今回このテーマで行こうと予め歌は選んであったのですが、推敲をそれほどしておらず、今日になって手を入れたら、結構 難ありでした。でも、「ええい、ままよ!」と出してしまいましたけど。
例えば、二首目は「する」という語が二度も出てきてしまっています。三首目は、意地の悪い人には「あなた、犬を餌にしていたの!?」と訊かれてもしょうがない詠みぶりです。さて、どんな添削がされて載りますことやら…(他力本願。汗)。
ただ歌を詠むだけでなく、歌を推敲して歌稿にまとめる作業は、毎度ながらとても勉強になります。


病身に優しき朝の囀(さえず)りと昼餉どきの児の甲高き声

暗雲のもと立ち話する児等と遠吠えの犬に胸騒ぎする

煮干にる香が二階まで上り来て餌にしていた飼い犬偲ぶ

用足して畑で脚掻く白い犬毛並みの汚れよそに胸張る

マタタビを漬け込む酒を作ろうと父の植えた実を野良猫が食う

朝ぼらけ眠りに落ちる意識へと呼ばわる鴉(からす)に半目を開ける

ヘッドフォン越しの雨音すり抜けて鳥高らかに朝(あした)を告げる


(2010年5月10日締め切り分、『樹海』2010年7月号掲載予定)
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