笑顔浴

優しい時間

一銭洋食

2009年05月25日 | Weblog
「一銭洋食」とは、キャベツと小麦粉を混ぜて焼く
お好み焼きほど贅沢ではない食物で
よく父が焼いて家族で食べました。

「一銭」という貨幣や
「洋食」という異文化の香りから
父が青年の頃にヒットしたメニューだと思います。
生きていれば、今年は年男。

父と同じ世代の認知症のお年寄りが集う施設を訪問したときに
きれいな薔薇を机に飾っていただきました。
目の覚めるような薔薇色で、デジカメに収めて持ち帰った次第。
この薔薇も昔は洋花として珍重されたことでしょう。

さて、一銭洋食の店は姿を消しましたが、
娘の私が作って食べている間は
かろうじてその存在をとどめています。
子供のいない私が死ねば、
我が家の一銭洋食の歴史も途絶えますので
私が死ぬ前に、誰かに作り方を伝授しておかねば~!!
でも、美味しいものが溢れる世の中ですから
すでに価値が無いかもしれませんね。

「世の中が早く変わりすぎて、ついていけん」と母が言うたびに、
活き活きとした頃の仕事や暮らしの知恵や思い出が、
かさこそと消えていく寂しさを共に想います。







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