ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

私の赤ん坊2

2014年07月14日 21時16分58秒 | 雑記
以前、ご紹介した私の赤ん坊。無事、生後半年がたったが、最近、その赤ん坊のことでいくつか悩みがある。

悩みその① 能力の向上が異常に速い

すでに六カ月の時点で、がんがんはいはいをしている。育児のことを知らない人のために少し補足すると、赤ちゃんというのは、はいはいの前にはズリばいという、手で腹をずって前進する移動方法を習得するのだが、通常の赤ちゃんはこれを通常7、8カ月で覚え、8カ月ごろから膝をついて前進する通常のはいはいに移行するらしい。しかし、うちの子供は5カ月すぎにズリバイを習得。それからわずか数週間で一気にはいはいに移行してしまった。

このスピード感……である。

しかも次の習得技術であるはずの、つかまり立ちにいたっては、ズリバイの前の4カ月頃の時点で、とっくにマスター。もともと、どういうわけかこの子は、立つという行為に生後まもなくの段階から異様なまでの関心を示しており、立たせると泣き止むという変な子、というか選ばれた子、神の子だった。はいはいの目的も、明らかに何か掴めるものに近寄って立つことにあるらしく、地面に寝かせてやると即座にはいはいの態勢に移行し、前方にある椅子やらソファーやらに突進して、すぐにつかまり立ちするのである。そして椅子から離してやって、また同じところに寝転がすと、再び同じ動きで同じ場所を一直線に目指して、同じラインを通って同じようにつかまり立ちする。まるでチョロQみたいだ。

ここ数日でつかまり立ちする動きが非常に滑らかになっており、あと一カ月もしたら歩き出しそうだ。しかしあまり早く歩き出すのはよくないという。はいはいの期間が短いまま歩き出すと、身体の発達が不十分になり、将来、体育の苦手な子供になってしまうらしい。なので、つかまり立ちするとすぐに身体を離して地面に寝かせてやるのだが、またすぐにはいはいして、つかまり立ちしてしまうのである。困ったものだ。といっても、世話をしているのは妻で、私はグアムにいるので何もしていないのだが……。

とはいえ、そのあまりのスピード感は、人類の常識からかけ離れているようにも思える。なんというか、まずは人類の進化をひと通りおさらいしてみるか、みたいな余裕が感じられるのだ。そのうえで次に何するかな~みたいな感じである。

一体どうなってしまうのか。ウサイン・ボルトみたいにならないか心配だ。

悩みその② 顔が異常にかわいい

この点に関してはもう西武池袋沿線では敵なしといった状態である。買い物でスーパーに立ち寄ると、おばさんたちからキャーキャーといった茶色い歓声が必ず澎湃として湧き起り、困惑する。完全に椎名町のアイドル。農村地帯をペネロペ・クルスと歩いているみたいで、ひじょうに目立つ。

電車に乗ったときなど時折、目の前の乗客から「わー」という歓声と共に拍手が沸き起こり、どう対処していいか分からないことがある。

私が自分の子供をかわいがるのは、もしかしたら親ゆえの愛情からではなく、単に顔がかわいいからかわいがっているだけではないのか? と悩んでしまうほど顔立ちは愛くるしい。と、そんなことを前に知り合いの女性に話すと、「うちの旦那も同じことをいっていた」と笑われた。

いや、ちがうんだよなあ。そういうことじゃないんだけどなあ。どうしてわからないのかなあ。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 生まれて初めての体験 | トップ | 明日から乗船 »
最新の画像もっと見る

雑記」カテゴリの最新記事