ライカでグッドバイ: カメラマン沢田教一が撃たれた日 (ちくま文庫 あ 47-1) | |
青木富貴子 | |
筑摩書房 |
9月、10月とやたら本の末尾の解説やら書評の仕事が多かった。そのうちの一つ、青木富貴子さんの『ライカでグッドバイ』がちくま文庫から刊行された。
ベトナム戦争の写真報道でピューリッツァー賞を受け、その後、戦場で命を落としたカメラマン沢田教一の評伝ノンフィクションで、写真を撮ること、作品を作ることの業に捕われたものの一生を描いたものである。危ない目に遭いながらも何度も危険地帯に写真を撮りに行かざるをえない姿は、人間の生き様としてひとつの極限だと思う。
今回のちくま文庫版は絶版となっていた文春文庫版を底本としており、その時の開高健の解説も収録されているのだが、見本が送られてきてびっくり。帯に「解説=開高健・角幡唯介」とあるではないか。
なんだか文豪になった気分だ。仕事を引き受けてよかった。