ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

苦役列車

2011年01月31日 23時39分42秒 | 書籍
苦役列車
西村 賢太
新潮社


西村賢太「苦役列車」を読む。言わずと知れた芥川賞受賞作。まだ表題作しか読んでいないが、職人芸的に面白い日本語だ。読んでいて、思わず笑ってしまう小説である。下ネタ的な描写が少なくないので、女性が読んでどう思うのかは不明であるが、男なら楽しめる。

簡単に言うと、うだうだと自分がいかにダメかを書いているのだが、ひとつひとつの言葉のなかに高度なユーモアがあふれている。ユーモアというのは、周囲の状況から自分を外に置いて客観視し、自分を笑えないと生まれない。さすがに平成の私小説家だけあって、自分の客体化はほとんど芸術の域に達している。

個人的には、こういう文体って理想的だなと思った。ぜひ読んでもらいたい、男には。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 荒川河川敷の治安 | トップ | 1967クロスカウンター »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (トーシャ)
2011-02-01 08:56:32
わかりました。読んでみます。
返信する
興味あります。 (古謝哲也)
2011-02-04 17:14:00
興味あるので読んでみます(^_^)
返信する
芥川 (たけし)
2011-02-06 06:51:01
 読んでみます。
返信する

書籍」カテゴリの最新記事