ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

植村直己冒険賞

2009年02月13日 08時51分10秒 | 探検・冒険
 植村直己冒険賞の記者発表が12日、明治大学紫紺館であった。知り合いに呼ばれたので僕ものこのこ顔を出した。

 植村賞といえば日本の冒険家を表彰する唯一の賞だったけど、昨年、冒険もしていない野口健が受賞。登山界、冒険界では「植村賞も終わったな……」と広く認識され、すっかりミソをつけてしまった。

 しかも今年はぱっとした冒険が思いつかない。アラスカやヒマラヤでハードなクライミングを実践している「ギリギリボーイズ」やカメット南東壁の平出、谷口コンビなどモダンアルピニズムの面々は玄人色が強すぎて、植村賞独特の「わかりやすい冒険」というコンセプト(僕の勝手な解釈ですが)からはかけ離れているし、野口健へのあてこすりみたいになるから難しいだろう。まさか我らが「イエティプロジェクトジャパン」はないだろうし、巨額の資金を投入してエベレストを登る三浦雄一郎もちょっとずれている。

 ということで今年の受賞者は誰なのか気にはなっていたが、びっくり仰天、該当者なし。というか、受賞拒否にあったらしい。受賞者は登山界ではだれもが知っている有名登山家。記者会見した選考委員の西木正明氏は、登山家の強い希望ということで名前を伏せたので、このブログでも名前は出さないけど、今年か来年あたり大きなことを成し遂げそうなあの人です。

 西木氏は受賞拒否の理由について述べた登山家のメモを代読。「一昨年、遭難騒ぎがあり、大事な友人を失った。そのことに後悔の念を抱いているので、栄誉ある賞を受賞することはできない」ということらしい。しかし、これは表向きの理由で、実は本音は違うのではという噂もちらほら。

 ちなみに特別賞に堀江謙一。うーん、日本の冒険界の人材不足もはなはだしい。農大探検部の北村昌之とか田中幹也とか服部文祥とか角幡唯介とかがいると思うんだけど。候補者をリストアップしているのは誰なのかな。

 そういえば話は変わるが、三浦雄一郎がエベレスト最高齢登頂者ということでギネスに登録されるとか。もっと高齢のネパール人男性が先に登頂しちゃったから、最高齢記録には惜しくも届かずとかいう話だったはずだが、そのネパール人男性に公式の戸籍がないらしくて年齢を証明できないらしい。

 もうどうでもいいよ!
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