ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

アイス・ブリンク

2010年10月21日 14時00分08秒 | 書籍
Ice Blink: The Tragic Fate of Sir John Franklin's Lost Polar Expedition
クリエーター情報なし
Wiley


北極のフランクリン隊関連の資料として、クックマン「アイス・ブリンク」という本を読む。アマゾンにレビューがたくさん書かれていたので、一応、購入。それにしても私はアマゾンに毒されている。

フランクリンの探検隊は壊血病対策として缶詰食料を大量に持ち込んだ。だが、缶詰工場が衛生面で非常に問題があり、探検中にボツリヌス菌が発生。それが隊を全滅に導いたというストーリーである。なかなか感心させられる指摘であったが、推測と事実がごっちゃになっていて、どこまで話を信用していいのかよく分からない。この隊の軌跡はほとんど分かっていないのだが、筆者は自分の想像を地の文で事実のように書いている。ノンフィクションというより、小説といったほうがいい。おまけにめちゃくちゃ読みにくい英語だった。

本日、チャールズ・フランシス・ホールの「第二次北極探検記:1864-69」など分厚い英書4冊が届く。ホールのこの本はフランクリン隊に関するエスキモーの証言がふんだんに盛り込まれており、資料としては一番価値がたかい(らしいことを最近知った)。首をながくして待っていた本である。

ただ問題は、645ページもあることだ。大学の時に一度も開かずに終わった経済学の教科書なみに厚い。いつになったら読み終わるのだろう。



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