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ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

サイン

2011年08月20日 10時46分53秒 | 雑記
近々発売される『雪男は向こうからやって来た』の見本が昨日届いた。

この本は、わたしが2008年に参加した雪男捜索隊の話が、だいたい約半分を占めている(残りの4割は、捜索地であるヒマラヤのコーナボン谷で続いてきた雪男目撃談と、それを追い求めた人間たちの記録。あとの1割はその他)。その捜索隊の高橋隊長が、わたしの本を購入して、隊の支援者に報告書がわりに送ってくれるというので、昨日、その分をサインしてきた。

その数、235冊。さらに個人的にお世話になった取材先に配る分も含めると、サインしたのは300冊ほどに達した。さすがにこれだけの分量をこなすと、最後は芸能人みたいに書体が崩れ、自分でも何を書いているのか分からなくなる。角幡唯介という画数の多い名前を、わずか5秒ほどでスラスラと書いている自分に、思わず成長を跡を感じた。

『雪男』の発売は26日。すでに読んでくれた人は、『空白の五マイル』より面白い、という人がほとんどだ。というか全員だ。それはそれで複雑ではあるのだが。

なお集英社のPR誌「青春と読書」9月号に関川夏央さんが書評を書いてくださっている。また10月号には、『雪男』についての私のエッセイが載る。さらに9月6日に発売される「kotoba」で森達也さんが書評で取り上げてくださるという。ありがとうございます。

気になる人はゲットしよう。

青春と読書 http://seidoku.shueisha.co.jp/seishun.html
kotoba http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/


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ランニング

2011年08月12日 13時22分00秒 | 雑記
北極圏の徒歩旅行を終えて、はや一か月が過ぎた。先月の下旬に帰国してからというもの、連日のように友人、知人を飲み歩く日々を過ごしてきた結果、わたしの体は早くも北極圏旅行前よりもだぶつき始めた。このままでは取り返しのつかないことになる、と思い、先週あたりから時間のある時を見計らって、ランニングを始めたのだが、翌日からひどい筋肉痛になった。

北極圏で103日間ものきつい日々を過ごし、その結果、足腰は従来にはないほど鍛錬されていたはずなのに、10キロ走っただけで、翌日から階段を上り下りするのも苦痛になった。まったく、あの北極圏徒歩旅行は幻だったのか、と思ってしまいたくなる。一か月もたつと、はるか昔の出来事になりさがり、体ももはや記憶を失ってしまったらしい。

話は変わるが、「雪男は向こうからやって来た」が26日に発売されます。アマゾンで予約受付中。

雪男は向こうからやって来た
クリエーター情報なし
集英社


カバーは「空白の五マイル」に引き続き、鈴木成一さんが担当してくださった。ジャケットに騙されて買う人が続出することを期待している。





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週刊ブックレビュー

2011年07月31日 17時05分24秒 | 雑記
NHKBSプレミアムの番組「週刊ブックレビュー」に出演することになった。収録は8月21日で、放送は27日なのだが、番組のホームページをのぞいてみると、この日はわたしのほかに三人のゲストが登場し、おすすめの本を紹介するようだ。

その三人というのが、谷口けいさんと廣川まさきさんと下川裕治さん。谷口さんと廣川さんはしんこうえんじの会などで顔見知りだし、下川さんは面識はないが、紹介する本が高野さんの「イスラム飲酒紀行」で、まあ、おんなじようなもんだ。なんでこんな同業他社みたいなメンバーなんだ、と思ったら、どうやら旅、冒険特集ということらしい。なっという狭い世界であろうか。

週刊ブックレビューのサイトを見ていて、もう一つ発見があった。4月に俳優の山本太郎さんが私の「空白の五マイル」を紹介してくれていたらしいのだが、同じ日にフリーライターの永江朗さんが「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」を紹介していた。

購読者が共通している理由がこれで判明。読者は敏感にも、あの深い小説と私の本の間に共通したテーマを読み取っているのか、とひそかに喜んでいたのだが、全然ちがったようだ。残念。

そういえば、昨日、台所のシンクの下の扉を開けたら、北極圏に出発する前に買い込んでいた「永谷園煮込みラーメンコクうま鶏塩ちゃんこ風」を発見。冷房をガンガンにかけて、汗をだらだら垂らしながら、一気に食べた。至福だった。


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ピルグリメージメソッド、アゲーン

2011年07月28日 17時34分05秒 | 雑記
アエラがスポーツに関するさわやか系のムックをつくるらしく、今日、皇居の周辺で取材を受けてきた。なぜ、皇居の周辺かというと、次のような経緯があったからである。

取材の要請があったのはカナダにいた時で、私は自分のやっていることをスポーツだとは認識していないので、その旨を明記したうえで、しかし、取材を受けるのは一向に構いませんという返事をしたためた。担当のライターの方は、それでもまったくかまわないので、取材を受けてほしいという意向を示したうえで、できれば探検のトレーニング風景を撮影したいので、荒川の河川敷でタイヤを引くなどしていただきたいのだが、それがやりすぎだということであれば、何かいい案はないでしょうかと相談をもちかけてきた。北極探検が終了した今、さすがの私も改めてタイヤを引く気も起きず、しょうがないから半分冗談交じりで、今回は事前に皇居のまわりでビジョガーに囲まれながら50キロのザックをかついでボッカ訓練をしていたので、そちらはいかがでしょうかと返事を出すと、どういうわけだか担当のライターの方は、それはいいと思います、と気に入ってしまったらしいのである。

ということで、本日正午、久しぶりにビニール袋に水をパンパンに入れてブラックダイアモンドの赤いザックに収納し、皇居周辺をボッカした。ただボッカするだけでもちょっとおかしな風であったのは否めないのに、その上、巨大なザックを背負ったままお堀をバックにポーズP、などを撮られたとあっては、もはや奇人変人の域に達していたと思う。私も最近では、衆人環視の元、かっこいいポーズをとって写真を撮られることに慣れてきたので、カメラマンさんに、ハーイ、笑顔をくださいとか言われると、恥も外聞もなく白い歯をニヤッと見せたりした。

その後、毎日新聞の入っているビルディングの地下食堂で取材を受けたが、三時間にわたり冒険と生きることの意味みたいな、全然、スポーティブではないテーマで話をさせていただいた。全然さわやかじゃないし、どう考えても、ムックの趣旨には反すると思うのだが、大丈夫なのだろうか。
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バカ買い

2011年07月26日 19時51分08秒 | 雑記
カナダ北極圏の徒歩旅行中、装備重量の関係で書籍はほとんどもっていかなかった。いや正確に言うと、昔の極地探検家の気分に浸りたかったので、ナンセン「極北」、アムンゼン「ユア号漂流記」、チェリーガラード「世界最悪の旅」、アルヴァーノフ「凍てつく海」はもっていったのだが、そんなものをもっていっても、氷と飢餓に苦しむ同じような男たちの話ばかり読む結果となり、途中からうんざりしてしまった。

最悪なのはアムンゼンで、彼は探検家として極めて優れていたので、行動が万事うまくすすんでしまい、トラブルが全然おきない。探検記なんて死にそうになったなんぼ、みたいなとこがあるので、彼の本は正直言ってあまり面白くないのである。それなのにアムンゼンのルートは、今回の我々の探検とかなりかぶっていたので、何度も読まざるを得ず、あー面白い本が読みたいなあ、と飢餓感を募らせていったわけだ。

その結果、バンクーバー滞在中から活字中毒のリバウンドがすごいことになっており、本のバカ買いという形ではじけている。

とりあえず、バンクーバーのブックオフで辺見庸「眼の探索」「赤い橋の下のぬるい水」「屈せざる者たち」、沢木耕太郎「地図を燃やす」、遠藤周作「海と毒薬」などを買って読んだ。さらに帰国してからは、ジュノ・ディアス「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」、国分拓「ヤノマミ」、イルゼ・ゾマヴィラ編「ウィトゲンシュタイン哲学宗教日記」、鬼界彰夫「生き方と哲学」、マーク・ローランズ「哲学の冒険」、広瀬隆、明石昌二郎「原発の闇を暴く」、さらに西村賢太の短編集5冊を購入した。

とはいえ、まだ「雪男」が校了していないので、読書の時間はほとんどない。読み終わったのは西村賢太「寒灯」のみ(相変わらず、死ぬほど面白い。文章はほとんど芸術の域に達している)で、いまのところ金が財布からなくなって、ちゃぶ台の上の未読本タワーが高くなっただけだ。本はいっぱい買っているのに、読んでいるのは「雪男」「空白の五マイル」と、自分の原稿ばかりで、まったくどうかしている。

さっきの探検記のからみで、ついでに言うと、わたしの「空白の五マイル」もたぶん読者的には第二章の脱出行が一番盛り上がるんだと思う。もちろん自分はそのように意識して書いた。だが帰国後にある山岳団体の会報に載っていたわたしの本の書評を見て、思わず苦笑いをしてしまった。その最後の文に、次の脱出行が早く読みたい、みたいなことが書いてあったからだ。まったく読者というのは恐ろしいもので、わたしに、もう一度死にそう目にあえ、と思っているらしい。

もちろん、いつか、その期待には応えようと思っているのだが。

寒灯
クリエーター情報なし
新潮社
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肩書

2011年07月24日 06時21分11秒 | 雑記
はばかりながら、このブログのサブタイトルの中のわたしの肩書を、ライターからノンフィクション作家に変えた。

朝日を退社してから、名刺などにもライターの肩書を使ってきたが、実はいわゆるライターの仕事はほとんどしたことがない。08年に退社してすぐに「雪男」の取材で一年が過ぎ、「空白の五マイル」で次の一年が過ぎ、北極関連で3年目が過ぎたので、本を仕上げることにしか時間を使っていなかった。

開高賞をもらった時に、ある過去の受賞者から、「あなた、賞をもらったらライターの仕事が来なくなるから、気を付けたほうがいいわよ」と助言を受けたことがあったが、なにせもともとライターの仕事をしたことがなかったので、その心配はほとんどなかった。

     *    *

昨日は山の上ホテルで開かれた開高賞の最終選考のパーティーにお邪魔し、ごあいさつをした後、久しぶりに朝日時代の同期の友人と遅くまで飲んだ。飲みすぎでまだ眠いが、時差ボケが残っていて夜は3、4時間しか眠れない。


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年貢の納め時

2011年07月23日 08時30分27秒 | 雑記
次回作「雪男は向こうからやって来た」の校了が迫ってきた。昨日は版元の集英社に行き、担当の岸尾さんと打ち合わせ。午前中から夕方までデザイン事務所に出す口絵の直しをみっちりとおこなう。

「雪男」の発売は8月26日。岸尾さんに、プロモーションの一環としてツイッターを始めるようにアドバイスを受けた。

ツイッターをこれまで使わなかったのは、ひとつには、面白いつぶやきをする自信がないからだ。日本にいる間は家に閉じこもっている時間が長いし、外出してもたいしたところにはいかないので、わたしがつぶやけることなんて、今日の目玉焼きのできだとか、日々のうんこの大きさだとか、現在世界の山ちゃん・靖国通り店は満員の状態です、とかその程度のもんだろう。

それにツイッターとかフェイスブックとかは、始めると、24時間、何書かなきゃという強迫観念に支配されそうで、それもこれまで避けてきた大きな原因だ。できることなら、次の作品の資料の読み込みとか、どのような構成にするかといったことを考えることに時間をさきたい。

とはいえ、そろそろ年貢の納め時だろうか。うーん、ああ、めんどうくさい。

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帰国・山と探検文学賞

2011年07月21日 23時54分27秒 | 雑記
バンクーバーから21日午後3時半ごろ、帰国した。地震の余波で日本はかなり変わったといろんな人から聞いていたので、かなり身構えて帰国したが、とりあえず空港の移動通路が止まっていたり、駅の標識の電気が消えていたりしていたこと以外には、特に出国前との変化は分からなかった。とはいえ、日本人なら共有すべき傷跡みたいなのが抜け落ちてしまったような、自分は日本人として欠陥を抱えてしまったのではないかというような、変な後ろめたさを引きずっている。

部屋の中もさぞかし混乱をきたしているに違いないとおそるおそる引き戸をあけたが、予想に反して以外に整然としており、乱雑に積み上げていた本の一部が崩れ、倒れているぐらいが、わたしのアパートにおける震災の爪跡だった。食器などは台所の天井近くに据えつけられた棚にいい加減に並べていたので、確実に床の上に落下し、バラバラに割れて惨状をきたしているとばかりと思っていたが、食器たちは2月にどたばたと部屋を後にした時のまま行儀よくならんでいた。拍子抜けといえば拍子抜けである。

出発時、空港に持って行くのを忘れた携帯電話の電源を五カ月ぶりに入れると、早速、非通知電話がかかってきた。読売新聞大阪本社文化部の記者からで、わたしの『空白の五マイル』が「第一回梅棹忠夫 山と探検文学賞」を受賞したので、コメントをくださいとの電話だった。

開高賞、大宅賞に続き、三つ目の賞となり、大変ありがたい。だが正直言って、そこまでの内容を自分は書けていたのだろうかという戸惑いは、たしかにある。
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地震

2011年03月13日 00時35分40秒 | 雑記
本日、レゾリュートに移動する予定であるが、太平洋岸を襲った巨大地震のニュースに気を奪われている。昨日あたりはほとんど一日中、イカルイットの宿でインターネットのニュースを閲覧していた。

平穏そのもののカナダからニュースを読んでいると、ほとんど日本は沈没寸前のように思えてきて、気が気でない。友人からのメールなどによると、東京もかなり揺れたとのことで、自分が住んでいる東長崎駅前のぼろアパートはかなりの確率で倒壊してしまったに違いないような気がし、不動産屋にメールでアパートの安否のほどを確認してみたが、一応、変わったことはないとのことだった。日本で被災に遭われた地域の方々のことを思うと、これから北極圏を長い間のんびり歩こうとしている自分が、まったくバカみたいに思えてくる。

が、北極圏のほうもなかなか一筋縄ではいかないようで、私たちが歩こうと思っているレゾリュート南部の沖合の氷は結氷状態が最悪で、やはり西に大きく迂回する、事前に想定していた最悪のパターンをとらざるを得ないようである。乱氷帯を歩く苦痛のほどを知っている同行の荻田君は、数日前から衛星画像と一日中にらめっこして、これまでの知識と経験を総動員し、なんとか抜け穴となるルートを見つけようとしているが、昨日、レゾリュートの知り合いから最新の衛星画像を送られてきた結果、ついにそれも観念し、西周りルートをとらざるを得ないと決心したようだ。西回りのルートをとると移動距離が100キロメートルほど増えるばかりではなく、乱氷帯を通らないといけないので、荻田君によると、速度が「山道と高速道路くらい違う」とのことである。
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朝日の書評

2011年02月21日 10時06分37秒 | 雑記
石川君が朝日新聞で「空白の五マイル」のかっこいい書評を書いてくれた。自制心のたがが外れているというところは、自分にも心当たりがある。今後も気をつけることはないでしょう。

笑ったのは、肩書。早稲田大学探検部OBって、そんな肩書、世の中に存在するのか? ノンフィクションライターと書くにも大した実績がないし、探検家だとわけが分からないし、元朝日新聞記者というのも書きにくいということで、朝日新聞文化部的にも取り扱いに困っているのだろう。

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グーグルアース

2011年02月19日 23時40分57秒 | 雑記

来週の火曜日に日本を出国し、カナダに向かう。一部報道でも明らかになっているが、1845年に129人全員が忽然と行方を絶ったフランクリン隊の足跡をたどる予定だ。

ルートはレゾリュートから45~50日ほど氷上を歩き、キングウイリアム島のジョアヘブンへ。ジョアヘブンから東に北米大陸本土に渡り、ツンドラ地帯を40日ほどかけて、これまた歩いて南下。無事、計画通りことが進んだあかつきには、6月中旬あたりに目的地であるベイカーレイクにたどりついているはずである。なぜ、目的地をベイカーレイクにしたのか。それを書くと、本のネタばれになるので、今は明かせない。

とまあ、それはどうでもいいのだが、数カ月も前から、ルート中で最も懸念していたのが、後半のツンドラ地帯をはたして歩けるのだろうか、ということだった。ツンドラ地帯では池や水路が網の目のように絡み合っていて、出発から35日目、ついに私たちは渡渉不可能な大河に出くわし進退が窮まった……などということになったらシャレにならない。しっかりと歩けるルートを見つけ出すためにも、精緻な衛星画像が必要だという認識にいたり、昨年末あたりから、各種専門機関や大学に、そのような衛星画像がないか問い合わせてきた。その結果、多くの研究者の方から、グーグルアースが一番いいよ、無料だし、とのご意見を頂戴し、よって昨日と今日の二日間をかけて、グーグルアースで公開されている踏破予定ルートのあたりの画像を高級マット紙にプリントアウトし、セブンイレブンで購入したのりでつなぎ合わせた。

二日間かけた作業で分かったことは、グーグルアースの画像で判明した池や水路の位置は、わたしの手元にある50万分の1の地図のそれと、まったく一致するということだった。よく考えたら、グーグルアースの画像はランドサットが撮影した画像で、地図のほうの確か、ランドサットが元データになっているはずだ。出元が同じなんだから、一致するのは当たり前だ。くそ、まったくの無駄骨じゃないか。でも、せっかくプリントアウトしたから持って行こう。色もついていて、見やすいし。いらなくなったら、たき火の焚きつけにすればいいし。

「かくはたさん、北極へ行く」みたいな新聞記事を読んだ人が、このブログを見て幻滅するといけないので、一応、北極関連のことを書いみた。鍵穴にボンドつめこまれたとか、タワシをなくしたとか、アホみたいな話ばかりだったので。

それにしても、1600キロを歩くのか……。なんでこんな計画を思いついてしまったんだろう。
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チャリンコの鍵穴が

2011年02月17日 11時13分48秒 | 雑記
新年そうそうよくないことの第三弾。先日、朝日新聞の取材を受けるため、自宅から自転車で落合南長崎駅に行き、大江戸線で築地市場に向かった。取材が終わり、深夜、落合南長崎駅で自転車に乗り、自宅に帰ろうとすると、なんと自転車のチェーンの鍵穴にボンドが塗り込まれていた。

酔っぱらっていたため、最初はなんだかよくわからず、鍵穴がずいぶんぬるぬるしているなあ、とか思いながら、穴にキーを突っ込んだ。ボンドはまだ完全に固まりきってなかったのか、途中までは入るが、しかし奥までは入らない。しかしこのままでは家に帰れないので、とりあえずチェーンを外そうと、鍵を強引にぐいっと左にねじったら、鍵が根元からブチっとちぎれてしまった。チェーンの鍵穴には、ぶちっとちぎれた鍵の一部が先端から突き刺さっていた。

頭に来たので、こんなチャリンコ、もう豊島区に撤去されてしまえと、歩いて家路についたが、100メートルほど歩いたところで、やっぱりもったいなくなり、チェーンのついている後輪だけ10センチくらい浮かして、家に持って帰った。

それにしても陰湿ないたずらだ。ひょっとして、ストーカー? 仕掛けた本人は、わたしがチャリンコを持って帰れず右往左往しているところを、どこかの物陰からひそかに覗き、確認し、クスクス笑いでも浮かべているのだろうか。それならまだ分かるが、ただ単に純粋に結果を妄想して、このような虚しい遊びに興じているのだろうか。

チェーンにはちぎれたキーがまだ突き刺さった状態なので、これから後輪を浮かして自転車屋に向かい、チェーンを切断してもらい、新しいのを購入するつもりである。



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冒険本・探検本

2011年02月11日 14時15分20秒 | 雑記
本の雑誌 333号
クリエーター情報なし
本の雑誌社


本の雑誌3月号の特集は「いま冒険本・探検本が熱い!」。わたしも巻頭で高野さんと対談させてもらってます。

高野さんと対談した時に驚いたのは、高校生の時に、オカルト雑誌「ムー」と川口探検隊の合間に、レヴィ=ストロースを読んでいたという話。そんな読み方で誤解なく読めているのか疑問に思ったが、「野性の思考」の解説をリンネの分類学を持ち出して説明するところに、高野さんの、ムベンベ的なものとはまた別の奥深さを感じた。

特集では服部さんも極地本について紹介している。わたしのことを例にとり、冒険の行為者が、表現として世の中に伝えることの難しさにも触れている。開高賞の受賞の言葉にも書いたが、書くことを前提に冒険行為をした場合、原稿に書くことを常に意識して行動するため、行為がどうしてもそこにひきずられてしまう。わたしの場合は書くことを前提に探検や冒険をするので、よって行為としては純粋ではない(だから冒険家という肩書は基本的に断っている)。服部さんはそのことも鋭く指摘している。

わたしの受賞の言葉を読んでいない人は、こちらを見てください。

http://www.shueisha.co.jp/shuppan4syo/kaikou/kakuhata.html

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荒川河川敷パート2

2011年02月06日 23時00分30秒 | 雑記
本日もタイヤ引きのため自転車で荒川河川敷へ。前回のストック、カラビナに続き、今回はタイヤを引っ張るロープが盗まれていた。さすがに頭に来たので、思わずあいつらかと思い、川のすぐ脇に立ちならぶホームレス小屋に向かった。犯人が見つかり次第、ケリの一発でも見舞ってやろうという気になっていた。

しかし、小屋を4、5軒回ったが、特にそれらしきものは見つからない。少し離れたところに立つ小屋の敷地内に入り見回っていると、居住者のおっさんがやって来て、「お前なにしてるんだ」と声を荒げて近づいてきた。

「タイヤのロープを盗まれたから、探してるんですよ」
「あ、そうなの」とおっさんは一転、弱弱しい声に変わった。そして「あ、あの最近タイヤ引いて頑張っているのは、君か」と言った。
「まあ、そうですけど……」
「そうかそうか。ロープのなんかこの辺の人間は盗まないよ。何の役にも立たないから」
「そうですか、じゃあいいです」

もう家に帰ろうと思い自転車のほうに向かうと、なぜかおっさんは「そうか、あんたがタイヤを引っ張っている人ねえ」とかなんとか言いながら、後ろをくっついて来た。そしてタイヤのところまでやって来ると、「これね、このタイヤでしょ」といって、タイヤを引く理由を聞き始めそうな感じになった。私も人の子、すぐ横の野球場で試合をしている少年たちから、あのいつもタイヤを引いているおじさん、今日はホームレスと仲良く話している、などと思われるのも癪なので、「もういいです、もういいです」と言いながら、そそくさと逃げるようにおっさんのもとを後にした。

結局、ロープは見つからず……。どうやら付近のホームレスの間で、何やらタイヤを引っ張って頑張っている若者がいるという話が広まっているらしいことだけが分かった一日であった。
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荒川河川敷の治安

2011年01月31日 18時35分22秒 | 雑記
新年そうそうのよくないことが、今も続いている。

先週の土曜日、最近のマイブームであるタイヤ引きをおこなうため、さっそうと戸田橋周辺の荒川河川敷に向かった。自転車をこぐこと約40分、いつものように少年野球の練習を横目に見ながら、草むらのタイヤの保管場所に向かうと、ストックが盗まれていた。

盗まれたのは10年くらい前に購入したブラックダイアモンド社のスキー用ストックで、調節機能が一段ついていた。たたんでも長さが70~80センチあり、いちいち持ち運びするのが面倒なので、タイヤと一緒に草むらに置きっぱなしにしていたのだ。

別にストックがなくてもタイヤはひけるが、しかし北極の現場ではスキーで移動しながらソリをひくので、やはりストックと連動した足の動きが重要だよな、などと思い、その日はタイヤを引くのを断念し、自転車で東長崎まで戻って、そのまま新宿のICIスポーツで新品のストックを購入した。

新品のストックは調節機能が二段で、これならたたむと50センチくらいになるので、持ち運びに便利である。本日はその新品をもって荒川河川敷でタイヤをひいた。しかしトレーニングも終了し、帰宅するため自転車をまたぐと、今度は自転車のLEDライトが消えていた。わたしが汗と鼻水をたらしつつタイヤをひいている間に、賊に盗まれてしまったらしい。まあ、盗まれたLEDライトは接触不良で、もはや20回に1回くらいしか点灯しない代物だったので、買いかえるきっかけになり良かったくらいだが。賊も盗む前に点灯状態を確認すべきであった。焦っていたのだろう。

それにしても戸田橋周辺の荒川河川敷、なんという治安の悪い場所であろうか。いったいどこのどいつがわたしの役に立たなくなったLEDライトやストックを盗むのだろう。ひょっとしたら、ストーカー?

そういえば例のタワシはまだ見つからず、シンクの三角コーナーは今や緑茶色のゲル状物質がこびりつき、冬にもかかわらず富栄養化の状態を呈している。早急にタワシが必要である。

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