花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

山野草の問題!

2018年05月05日 | その他
かつて山野草が大ブームになり
エビネやアツモリソウ、クマガイソウが高値で販売されました。
もちろん自然の山からの盗掘で、すっかり山には
自生する野生ランは姿を消したといいます。
山野草を好む人は園芸種が失ってしまった
慎ましやかでひっそりと咲く姿を愛でるようです。
この植物は春の妖精ともいわれるエンレイソウ。
なかでもミヤマエンレイソウといわれる山野草です。
この植物はユリ科のため盗掘されたという話は
あまり耳にしたことはありませんが
近年は自生地の分断という問題が発生しているようです。
エンレイソウには自分の花粉で受粉できる自家受粉株と
自家不和合性で他家受粉する2種類の群落がありますが
山林の開発で群落が分断されているというのです。
自家受粉株ならそれでも種子を作れますが
他家受粉集団の場合、群落が小さくなれば昆虫が集まらなくなり
その結果、受粉できなくなり群落が消滅することになります。
チームフローラフォトニクスが長年取り組んできた
サクラソウで起きているのと同じような問題が発生しているようです。
さらにエンレイソウは種子から開花するまで
なんと10年もかかるというのですから簡単に増殖できません。
まだ山を歩くとエンレイソウはたくさん咲いていると思いますが
山野草は山で見てこそ風情のあるもの。
持ち帰ることはやめましょう。
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スイセンはナルシスト ?

2018年05月05日 | その他
田舎の道ばたや野原にスイセンがよく咲いています。
このような風景を見ると日本原産かと思ってしまいますが
もともとヨーロッパ原産といわれています。
これは学名にギリシャ神話に出てくる美少年「Narcissus(ナルキッサス)」の
名を持つことからもよくわかります。
50種ともいわれるスイセンの原種の中でひとつだけ中国原産の種がありました。
それが黒潮に乗って日本に流れ着き、
日本の海岸や野原で咲くようになったといいます。
これがニホンスイセンと呼ばれるグループです。
これもニホンスイセンの三大群落が
淡路島、越前海岸、南房総と海岸にあることから納得できます。
ではなぜ田舎の野原でよく見かけるのでしょうか。
スイセンは一般に球根ですが種子もできます。
もしかしたら庭に植えたスイセンから
広がっていったものかもしれません。
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