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スキル制のゲームの話

2013年07月19日 21時40分44秒 | アニメ・コミック・ゲーム
アクションゲームなどは、プレイするうちにプレイヤーのスキルが上がっていく。それが実感できると楽しい。そこにゲームの肝がある。

RPGなどもある程度はプレイヤーのスキルが問われたりもするが、レベルを上げれば解決することも多い。
FF2のようにゲーム中の行為がスキルとして表現されるケースもある。剣を使い続ければ剣のスキルが少しずつ上がり、より効果的に使えるようになる。ある意味リアルだが、思うように育てようとすればかなり大変だったりする。

レベルアップ時にスキルのポイントが入り、それを振り分けてキャラクターを育てるタイプのRPGがある。テーブルトークRPGから取り入れられたと思うが、コンピュータRPGでは何が起源か知らない。
私の知る最も古い作品は『ドラゴンウォーズ』だが、洋ゲーで元はPC用だった。ファミコンに移植されたものをプレイした。国産RPGは、対象年齢が低いせいかキャラクターメイキングや育成を自由にできるタイプが少なかった。

FFシリーズは比較的初期からキャラクターを育成する方向性はあった。ただやり込めばほぼ万能に近い成長を遂げることができた。スキル制RPGの重要な点として、スキルポイントに上限があり、すべてのスキルを思うがままに育てられないことがある。

こうしたスキル制RPGで最も完成度が高いと感じたのがディアブロ2だ。実は発売当初はただのスキルツリー型で珍しいものではなかった。スキルツリー型とは、上位のスキルを取得するためには下位のスキル取得が条件となるものだ。系統樹のような形で描かれる。
ディアブロ2は修正パッチによって劇的に変化した。それがシナジーボーナスの導入だ。例えば、ソーサラーのスキルにファイアーボールがある。スキル1だと微々たるダメージしか与えられないが、スキルポイントを多く割り振れば強力な攻撃力となる。一方、ファイアーボルトというスキルは最初から覚えられるスキルだが、ポイントを多く振ってもあまり強いスキルにはならない。通常のスキルツリー型であれば、ファイアーボルトは1だけ振って、その後覚える強いスキルのためにスキルポイントを温存するべきだ。
ところが、シナジーボーナスの存在がその常識を覆した。シナジーボーナスとは、あるスキルにポイントを振ると、そのスキルだけでなく他のスキルにも影響を与えるシステムだ。
ファイアーボルトに1振ると、ファイアーボールのダメージが14%上昇する。ファイアーボールの威力を強化しようと思えば、ファイアーボールのスキルを伸ばすだけでなく、ファイアーボルトのスキルも伸ばせばいいというわけだ。

すべてのスキルがシナジーボーナスを持っているわけではないし、シナジーボーナスの効果もスキルによって異なる。スキルポイントの量は上限があるため、どのようにキャラクターを成長させていくのかしっかり考えておく必要がある。幸い、修正パッチの導入時にノーリスクでスキルをリセットしてくれる機能が追加され、試行錯誤したり、別の育成タイプに切り替えたりしやすくなった。

こうした育成タイプをビルドと呼ぶが、ディアブロ2では7つのクラス(拡張版を入れて)のそれぞれに複数のビルドのタイプが存在する。スタンダードなタイプでなくてもプレイできる奥行きがあることも理由だが、このクラスはこう育てなければならないという制約が大きいとスキル制の意味が乏しくなる。

世界樹の迷宮は1作目しかプレイしていないが、ビルドの種類が乏しいのが物足りない。スキルツリー型だが、上位のスキルを振るために下位のスキルのレベルが求められる。アルケミストが火炎の術式というスキルを覚えるためには、炎マスタリーLv5と火の術式Lv3が必要となる。要求されるスキルが有用なものであればいいが、時にはあまり役に立たないこともある。スキルポイントの上限が低いこともあり、遊びにくいとも言えるだろう。休養によるスキルリセットは存在するが、Lv10下がるというデメリットがある。

マイトアンドマジック6、7、8もスキル制RPGだった。6はクラスによって取得できるスキルは異なるが、取得できるスキルは最大まで成長可能だった。7以降はクラスによって制限がつくようになった。これらの作品では、スキルレベルが一定に達し、NPCにお金を払うことで熟練者や達人、神位となることができる(神位は7から。ごく一部に他に条件がある場合も)。同じスキルレベルでも、熟練者か達人かで効果が異なったりする。魔法の取得もスキルレベルではなくどの段階かで制限される。クラスのランクアップによってこの段階の上限が上がるものもある。クラスの個性を引き立てることにはなったが、6のおおらかなスキル制のほうが楽しめたように思う。

現在プレイ中のダンジョントラベラーズ2は、スキルツリー型ではなく、クラス別のスキル制だ。Lv15と30で上位のクラスになることができ、クラスチェンジすると新しいクラスの全てのスキルにポイントを振れるようになる。スキルレベルを上昇させるためのスキルポイントはスキルごとに異なり、なかには1振るのに大量のポイントを要求されるものもある。
このゲームには5系統のクラスがあり、Lv15職が11、Lv30職が16ある。マジックユーザー系を除くと、Lv15職が2、Lv30職が3となっているが、Lv15職からLv30職へのクラスチェンジは2種類のクラスからの選択となる。
例えば、ファイター系はLv15職はパラディンとバーサーカーで、Lv30職はヴァルキリー、侍、ダークロードとなっている。パラディンからはヴァルキリーか侍、バーサーカーからは侍かダークロードにクラスチェンジできる。パラディンからダークロード、バーサーカーからヴァルキリーといったクラスチェンジはできない。
Lv30職となっても基本職やLv15職のスキルにポイントを振ったり、使ったりすることができる。従って、侍であれば、パラディン経由かバーサーカー経由かで使えるスキルが異なる。クラスによってはどちらを経由したかでかなり使い勝手が異なるようだ。
クラスが多いので、クラス内でのビルドの多様性はそれほどあるわけではない。ただ必須のクラスは存在しないし、全く使えないクラスもほとんどないように感じる。スキルの振り方もプレイスタイルによってかなり変わってきそうな印象だ。

冒頭にアクションゲームとRPGの違いを挙げたが、スキルによる強化はなにもRPG独自のものではない。最近プレイしたゲームの中では、戦国無双2やバイオショックなどもスキル制のゲームと言えるだろう。有効に機能しているかどうかはともかく。

スキルによるキャラクターの育成がゲームとしてうまく生かされていれば楽しめる。プレイヤーの個性が反映されるようなスキル制のゲームにもっと出会いたいものだ。


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