MM9 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2007-12 |
自然災害として怪獣が存在する世界。気象庁でその対策を担当する部署「気象庁特異生物対策部(気特対)」の活躍を描く。とはいえ、実際に怪獣と戦うのは自衛隊の仕事。気特対は避難勧告や作戦立案などを担当する。
平成版ガメラやパトレイバーあたりからリアリティのある怪獣ものという切り口が登場し、ジャンルとまでは言えなくとも珍しいものとは感じなくなった。そのため本書も新鮮味があるとは言い難い。SFとしての理論付け、特に人間原理の使い方は面白かったが。
キャラクターは公務員色が強い。同じ公務員色のあるパトレイバーと比べても顕著で、地味な印象だ。リアリティはそれにより確実に強まったが物語としては淡白な印象を強めることとなってしまった。
SFとしてはケレンに溢れ雑学の塊のような作品に仕上がっている。巨大な幼女、しかも全裸とか映像化できないじゃん!と思わせるエピソードなどひねりも効いてはいるのだが、エンターテイメントとしては盛り上がりに欠けるのも事実だろう。『地球移動作戦』のようなストレートな熱さがもう少しあっても良かったのではないか。
以下ちょっとネタばれ。
最終章にクトゥルー神話が出てきて笑った。このノリで☆ひとつ追加(笑)。ただし、『這いよれ!ニャル子さん』を読んだあとなのでインパクトはそう強くはなかったが。(☆☆☆☆☆)
これまでに読んだ山本弘の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)
『アイの物語』(☆☆☆☆☆)
『地球移動作戦』(☆☆☆☆☆☆☆)
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