■日本代表はなぜ負けたか?
答えは簡単である。コンディションとメンタルで劣っていたからだ。
「心技体」と言われる。そのうちの心と体が戦うに十分な状態ではなかった。
ザッケローニ監督や選手たちもこの試合に勝ちたいとコメントしていた。ホームでの試合であり、もちろん勝つに越したことはない。でも、それだけではモチベーションとしては不十分だった。
海外組が多数を占める日本代表。その多くは毎試合結果を求められている。レギュラーの座が安泰だなんて思っている選手はいない。それに比べるとこの「消化試合」はぬるく感じてしまう。
もちろん日本代表でも招集されるかどうかやレギュラーの座を巡っての争いはある。ただコンスタントに招集されているメンバーにとってはクラブでの熾烈な争いに比べると見劣りするものだっただろう。
また、週末に試合をして、半日近いフライトで日本に戻り、時差も存在する状況で、フィジカルなコンディションを万全にしろというのは無理がある。
この試合でも後半になって著しく運動量が落ちた。それは事前に予想できたことだ。
シーズン中のミッドウィークの試合開催は確実にコンディションに影響を与える。最終予選となれば、もう少しは気持ちでカバーできるだろうが、ベストのパフォーマンスを90分続けることは難しい。そういうものと最初から思って戦わなければならない。
■視聴率のための戦い
6月まで代表の試合がない。そのためあえて海外組を招集したと協会は説明しているが、1試合戦ったところで何が変わるのか理解不能だ。
少ない機会を有意義に使いたいのであれば、もっと別のやり方があったのではないか。
ザッケローニのサッカーはかなり細かな約束事で構成されている。そのことはアイスランド戦に招集された大久保がコメントしていた。今回、海外組は1日か2日しか事前に練習できず、そうしたザッケローニの戦術を理解するには時間が足りなかった。
久しぶりの招集となった乾は後半途中から出場したが、試合中に監督から細かく指示された。初召集の宮市が出る可能性は限りなくゼロに近かった。
試合前に宮市出場の可能性をほのめかすコメントがあったが、TV局の要請によるものではなかったかと勘繰りたくなる。日本代表の試合といえども「消化試合」である。視聴率を稼ぐためには、海外組の招集やいま最も話題となっている宮市は欠かすことができない。
■最終予選のために
本来であれば、この試合はアイスランド戦同様に国内組メインで戦い、戦力の拡充を目指すべきだった。アイスランド戦との継続性が藤本の抜擢だけで終わってしまったのは非常に残念だ。
ウズベキスタンは中心選手を欠いたメンバーだった。意図的にイエローカードをもらったことによる裁定で最終予選の初戦もこのメンバーで戦うことになるだろう。
事前に韓国で調整してきたという今回のメンバーは、大きなチャンスを得ている。この試合で活躍することがレギュラー獲得へと繋がる。彼らのモチベーションは高かった。
また、フィジカルなコンディションもしっかりと整えられ、運動量は90分間継続した。
主力を欠くウズベキスタン相手だからと日本は油断していなかったか。海外組の「心」と「体」が万全ではないことは事前に分かっていたはずなのに、そのための準備を欠いたことは明らかだろう。
世界の一流の選手であっても「心」と「体」のコンディションを維持することは難しい。プロだからできて当たり前といったものではない。これらを見極めケアするのは監督やスタッフの仕事だろう。
この試合でザッケローニが積極的に動かなかったのは、こうした状況でどんなパフォーマンスが残せるか見定めようとしたのかもしれない。だが、「心」「体」が万全でない中での試合は怪我に繋がりやすく、実際に長友が負傷により退場してしまった。
■負けるべくして負けた試合である
個々の選手がどうこうというよりも、戦う前から勝負が決まっていたような試合だ(もちろん、前半のうちに得点していれば違う結果にはなっただろうが、それで勝利したところでどんな成果と呼べただろうか)。
W杯に出場し、そこで結果を残すことが目標であるはずだ。すべてはそのためにでなければならない。
代表で戦うことだけが選手の成長に繋がるわけじゃない。特に海外のクラブで戦っている選手たちに対しては一律に招集するのではなく、個々の立場まで考慮して呼ぶべきだっただろう。クラブで結果を残している長友、香川、岡崎の招集は間違いだ。
昨年の清武のように、明らかなハードワークは怪我に至る可能性が非常に高い。しかし、日本では選手の怪我は自己責任と言わんばかりの扱いをされる。一方で、代表招集を断るという選択肢は与えられていない。
清武の負傷は日本サッカー協会の責任だったのに、その影響は選手やクラブが全て負担することとなった。目先の勝利ばかり優先し、代表強化を疎かにしている実例とも言える。
■W杯で結果を残すには
もっともっと日本代表は強くならなければならない。南アフリカでの戦い方はお世辞にも褒められたものではなかった。
W杯に出るためならばどんな戦い方でも構わないが、W杯の舞台ではこれが日本の戦い方だと胸を張れるものを見せて欲しい。
そのために何が必要なのか。
男子U-23が五輪で出られるかどうかが本当に強化に繋がるのかどうか。Jリーグのあり方は今のままでいいのかどうか。海外移籍のあり方は。海外組の代表での使い方は。
もちろんブラジルW杯だけでなくその後まで見据えて。
目的を達成するための一歩かどうか。そこを凝視していかねばならない。
答えは簡単である。コンディションとメンタルで劣っていたからだ。
「心技体」と言われる。そのうちの心と体が戦うに十分な状態ではなかった。
ザッケローニ監督や選手たちもこの試合に勝ちたいとコメントしていた。ホームでの試合であり、もちろん勝つに越したことはない。でも、それだけではモチベーションとしては不十分だった。
海外組が多数を占める日本代表。その多くは毎試合結果を求められている。レギュラーの座が安泰だなんて思っている選手はいない。それに比べるとこの「消化試合」はぬるく感じてしまう。
もちろん日本代表でも招集されるかどうかやレギュラーの座を巡っての争いはある。ただコンスタントに招集されているメンバーにとってはクラブでの熾烈な争いに比べると見劣りするものだっただろう。
また、週末に試合をして、半日近いフライトで日本に戻り、時差も存在する状況で、フィジカルなコンディションを万全にしろというのは無理がある。
この試合でも後半になって著しく運動量が落ちた。それは事前に予想できたことだ。
シーズン中のミッドウィークの試合開催は確実にコンディションに影響を与える。最終予選となれば、もう少しは気持ちでカバーできるだろうが、ベストのパフォーマンスを90分続けることは難しい。そういうものと最初から思って戦わなければならない。
■視聴率のための戦い
6月まで代表の試合がない。そのためあえて海外組を招集したと協会は説明しているが、1試合戦ったところで何が変わるのか理解不能だ。
少ない機会を有意義に使いたいのであれば、もっと別のやり方があったのではないか。
ザッケローニのサッカーはかなり細かな約束事で構成されている。そのことはアイスランド戦に招集された大久保がコメントしていた。今回、海外組は1日か2日しか事前に練習できず、そうしたザッケローニの戦術を理解するには時間が足りなかった。
久しぶりの招集となった乾は後半途中から出場したが、試合中に監督から細かく指示された。初召集の宮市が出る可能性は限りなくゼロに近かった。
試合前に宮市出場の可能性をほのめかすコメントがあったが、TV局の要請によるものではなかったかと勘繰りたくなる。日本代表の試合といえども「消化試合」である。視聴率を稼ぐためには、海外組の招集やいま最も話題となっている宮市は欠かすことができない。
■最終予選のために
本来であれば、この試合はアイスランド戦同様に国内組メインで戦い、戦力の拡充を目指すべきだった。アイスランド戦との継続性が藤本の抜擢だけで終わってしまったのは非常に残念だ。
ウズベキスタンは中心選手を欠いたメンバーだった。意図的にイエローカードをもらったことによる裁定で最終予選の初戦もこのメンバーで戦うことになるだろう。
事前に韓国で調整してきたという今回のメンバーは、大きなチャンスを得ている。この試合で活躍することがレギュラー獲得へと繋がる。彼らのモチベーションは高かった。
また、フィジカルなコンディションもしっかりと整えられ、運動量は90分間継続した。
主力を欠くウズベキスタン相手だからと日本は油断していなかったか。海外組の「心」と「体」が万全ではないことは事前に分かっていたはずなのに、そのための準備を欠いたことは明らかだろう。
世界の一流の選手であっても「心」と「体」のコンディションを維持することは難しい。プロだからできて当たり前といったものではない。これらを見極めケアするのは監督やスタッフの仕事だろう。
この試合でザッケローニが積極的に動かなかったのは、こうした状況でどんなパフォーマンスが残せるか見定めようとしたのかもしれない。だが、「心」「体」が万全でない中での試合は怪我に繋がりやすく、実際に長友が負傷により退場してしまった。
■負けるべくして負けた試合である
個々の選手がどうこうというよりも、戦う前から勝負が決まっていたような試合だ(もちろん、前半のうちに得点していれば違う結果にはなっただろうが、それで勝利したところでどんな成果と呼べただろうか)。
W杯に出場し、そこで結果を残すことが目標であるはずだ。すべてはそのためにでなければならない。
代表で戦うことだけが選手の成長に繋がるわけじゃない。特に海外のクラブで戦っている選手たちに対しては一律に招集するのではなく、個々の立場まで考慮して呼ぶべきだっただろう。クラブで結果を残している長友、香川、岡崎の招集は間違いだ。
昨年の清武のように、明らかなハードワークは怪我に至る可能性が非常に高い。しかし、日本では選手の怪我は自己責任と言わんばかりの扱いをされる。一方で、代表招集を断るという選択肢は与えられていない。
清武の負傷は日本サッカー協会の責任だったのに、その影響は選手やクラブが全て負担することとなった。目先の勝利ばかり優先し、代表強化を疎かにしている実例とも言える。
■W杯で結果を残すには
もっともっと日本代表は強くならなければならない。南アフリカでの戦い方はお世辞にも褒められたものではなかった。
W杯に出るためならばどんな戦い方でも構わないが、W杯の舞台ではこれが日本の戦い方だと胸を張れるものを見せて欲しい。
そのために何が必要なのか。
男子U-23が五輪で出られるかどうかが本当に強化に繋がるのかどうか。Jリーグのあり方は今のままでいいのかどうか。海外移籍のあり方は。海外組の代表での使い方は。
もちろんブラジルW杯だけでなくその後まで見据えて。
目的を達成するための一歩かどうか。そこを凝視していかねばならない。
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