酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「硫化水素自殺」は自殺なのか

2008-04-27 16:44:37 | Weblog
 風呂場用の洗剤などを混合して硫化水素を発生させ、自殺を図るケースが続出している。消防庁の調べでは3月27日から4月25日までに12都府県で19件起き、16人が死亡、128人が巻き添えで症状を訴えている(26日付け読売新聞)。

 ブームと呼ぶにはあまりにもおぞましい。なぜこんなことが流行ってしまうのか。硫化水素による自殺者は年齢や男女に関係ない。一時「流行した」車中で練炭を焚く方法は、複数の男女によるケースが多かった。ネットでの呼びかけで、何人かが集まるのも特徴的だった。

 硫化水素は単独が多い。場所は問わない。働き盛りの男性も結構いる。高濃度の硫化水素は毒性が強く、短時間に死ねるという。原料が手に入りやすいのと、簡単・確実に死ねるのがいいということなのか。

 こういう死に方を自殺などと呼んではならないのではないか。何件かのケースでは部屋の外などに「硫化水素自殺中。ドアを開けると危険です」などの貼り紙があったという。周囲に危害が及ぶことを自覚している。未必の故意が適用されるケースだ。警察は自殺で処理するのではなく、周囲の被害状況に応じて傷害罪や殺人未遂罪で調べるべきだろう。当人が死亡した場合でも、被疑者死亡事件としてきちんと処理すべきだ(現にそうしているのかもしれないが、一般には周知されていない)。

 自殺したい人にいくら「死ぬな」と呼びかけても、思いとどまらせることは難しい。だが、「死ぬ前にもう一度考えよう」と言い続けなければならない。自殺は当事者の大事な人を悲しませ、憎くてたまらない人や組織にはその意が伝わらない。端的に言えば犬死だ。その上、硫化水素自殺は犯罪行為にも問われかねない。どんな自殺であれ、割に合わないのだ。

 ネット上では相変わらず硫化水素自殺の呼び掛けが続いている。そうやってどんどん居場所を狭めて、もう死ぬしかないと自分を追い込む。焚き付け屋や騒動師、ブームに乗ったお調子者たちに踊らされてはいけない。生きるのがいやなら、しばらく死んだふりをしていればいい。三年寝太郎という先輩もいる。熟睡すれば頭のもやもやが晴れるかもしれない。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 聖火様のお通りで~す | トップ | 新聞の品格 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事