酔眼独語 

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「改造」後にけなすより

2012-10-03 05:26:22 | Weblog
 野田再々改造内閣への批判が渦巻いている。当然である。野田政権が発足して13カ月、早くも3回目の改造である。6月の改造からは3カ月しかたっていない。「首相1年、大臣三月の使い捨て」で仕事などできるわけがない。

 ところが、メディアは今回の改造を「予定の行動」とみなし、事前に「この改造に理はない」と指摘することはなかった。もともと意味のない改造である。どんな顔ぶれになろうが、できることは知れている。

 で、再々改造内閣に対する各紙の世論調査の結果が出た。概ね似たようなものだが、微妙に異なる部分もある。内閣支持率が最も高く出たのが読売というのも面白い。


 ≪野田第3次改造内閣の発足を受けて朝日新聞社は1~2日、全国緊急世論調査(電話)を実施した。野田佳彦首相と自民党の安倍晋三総裁のどちらが首相にふさわしいかを聞いたところ、安倍氏が39%で、野田氏の34%を上回った。衆院比例区の投票先でも、自民が30%に伸び、民主の17%を引き離した。 どちらが首相にふさわしいか、という質問について、有権者の56%を占める無党派層の答えをみると、安倍氏は29%で、野田氏の32%がやや多かった。ただし、自民支持層の82%が安倍氏を、民主支持層の86%が野田氏を選んでおり、自民の支持率が21%と、民主の14%を上回った分、安倍氏が優位に立った形だ。
 改造した野田内閣の支持率は23%(前回25%)でほぼ横ばい。不支持率は56%(同53%)だった。内閣の今後に「期待する」は30%で、「期待しない」62%が倍以上だった。一方、安倍氏の率いる自民党についても「期待する」は39%で、「期待しない」54%の方が多かった。

 
 読売新聞社は、野田第3次改造内閣が発足した1日から2日にかけて緊急全国世論調査(電話方式)を実施した。
 野田内閣の支持率は今年7月以来の30%台に回復し、自民党も「総裁選効果」で政党支持率が2009年の野党転落後で最高を記録した。一方、正式発足したばかりの新党「日本維新の会」は、勢いに陰りが見え始めている。
 内閣支持率は34%で、前回調査(9月15~17日)の27%から7ポイント上昇し、一定の改造効果が表れた。不支持率は56%(前回63%)。
 ただ、新閣僚や民主党役員について個別に聞くと、田中文部科学相の起用を「評価しない」が51%で、「評価する」は35%にとどまった。輿石幹事長の再任を「評価しない」は58%だった。細野政調会長の起用は「評価する」39%と「評価しない」40%が拮抗(きっこう)した。政権浮揚につながるとの期待もあった田中氏の起用に、批判が根強いことが浮き彫りになった。
 内閣支持率は34%で、前回調査(9月15~17日)の27%から7ポイント上昇し、一定の改造効果が表れた。不支持率は56%(前回63%)。


 共同通信社が1、2両日に実施した全国緊急電話世論調査によると、自民党の政党支持率は30・4%で前回の9月調査より11・1ポイント上昇、民主党は12・3%で0・6ポイント下がった。一方、野田第3次改造内閣の支持率は29・2%で、前回調査の26・3%よりやや上がったものの改造効果は一部にとどまったことをうかがわせた。不支持率は55・3%だった。
 野田佳彦首相が改造で田中真紀子文部科学相を起用したことを「評価する」との回答も34・6%にとどまった。
 9月に結党した新党「日本維新の会」の政党支持率は10・7%となり、12・3%の民主党に次ぎ3位だった。次期衆院選比例代表投票先では13・9%で、12・3%の民主党を上回る2位に入った。ただ「日本維新の会」に期待する人の割合は50・6%で、「大阪維新の会」への期待を聞いた前回より9・6ポイント落ち込んだ≫。

 メディアの関心は人気者の動向と「解散・総選挙はいつか」だけである。田中真紀子を起用したことの評価などを尋ねて、何の意味があるのか。以前にも書いたことがあるが、頻繁な世論調査はメディアの自信喪失の表れだろう。「世論に寄り添って報道しているぶんには、見放されることはない」というわけだ。

 メディアに期待されるのは洞察力や先見性である。政局を占うご託宣を「洞察力」にすり替えるような欺瞞はもうたくさんだ。

 

 
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