酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

格闘技と死亡事故

2009-07-05 14:47:08 | Weblog
 プロレスの三沢がリング上で壮絶な最期を遂げてから、格闘技の危険性に警鐘を鳴らし、事故防止への動きが高まっている。

 《プロレスラーの三沢光晴さん(46)が13日に広島市内での試合中に事故死したことを受けて、プロレス大手3団体が18日、自民党の文部科学部会・文教制度調査会合同会議に出席し、再発防止や健康管理について意見交換を行った》=毎日jp=

 《今年3月、ボクシングの日本ミニマム級王座決定戦で敗者が死亡し、勝者も引退に追い込まれた異例の事故を受け、日本ボクシングコミッション(JBC)などが、試合中の健康確認や検診体制の強化など、リング禍根絶に向けた対策に動き出した。ただ、今までも様々な対策を作りながら、死亡事故に歯止めはかかっていない。今回の動きが、決定打になるかは未知数だ》=朝日com=

 リングで命を落とす事故を防ぎたいと思うのは万人に共通だろう。「こんな危険な競技は禁止すべきだ」と考える人がいるかもしれない。

 人と人が素手で殴りあい、取っ組み合う格闘技は、最も古いスポーツの1つだ。これらの戦いで一体どのくらいの数の命が失われたのだろう。数百数千で済むかどうか。

 ボクシングではベアナックルが禁止され、グローブも次第に重くなりいまや最低でも8オンスが求められる。ラウンド数が減らされてきたのも、危険防止と健康管理のためだ。

 プロレスの死亡事故は大抵が受け身の取りそこないだ。経験不足な若いレスラーの場合が多いが、三沢のようなベテランのケースもある。格闘技が多様化し、過激さを競っていることと、事故の多発は無関係ではないだろう。

 プロレス関係者の間からは組織統一の話が出ているという。

 《現在、プロレス団体は全国に約40団体あるとされるが、業界を統括する組織がないため、プロレスラーと認められる基準がなく、選手の健康管理も各団体任せとなっている。会議後、全日社長で現役プロレスラーの武藤敬司さん(46)は「統一的な協会をつくるのが、プロレスの発展になると思う」と話した》毎日jp=

 ボクシングでは世界組織が増える一方だ。プロレスは「伝統プロレス」に加えUWFなどの総合格闘技系団体が入り乱れて、わけが分からない。組織統一は結構だが、興行の世界は一筋縄ではいかない。

 死亡事故を減少させる工夫は必要だが、行過ぎた規制には反対だ。究極の強さや速さ、美しさは「死」と隣り合わせにあるからではないか。F1やスキーのジャンプや滑降、ダイビングなどがその典型だ。

 個々が技量を磨くのが事故防止の最善策だ。そのレベルに達したかどうかを見極めるのは競技団体の役割だ。もちろん試合前の健康診断などは、脳波検査をはじめ徹底して行うべきだ。

 コースやリングに散った命は、「本望」と感じているのではないか。安直に規制を考えるべきではない。

 
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