東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

小石川氷川坂上(2015)

2015年05月29日 | 散策

氷川神社からの遠景 氷川坂上 氷川坂上 これまでずっと歩き続けたので小石川植物園内でしばしのお茶休憩。

植物園を出て右折し、千川谷の道を植物園に沿って西へ歩くが、この道も御殿坂のように拡幅工事中である。やがてT字路に至り、ここを右折すると、網干坂下であるが、すぐに左手の氷川神社(簸川神社)方面に向かう。

境内の石段を上り、振り返ると、ちょっと南側の展望がよい。神社の裏手から出ると、氷川坂上である(現代地図)。坂上から北へまっすぐに道が延びている。

氷川坂上 大江戸大絵図 東都駒込辺絵図 かなり前、このあたりをはじめて訪れたとき、湯立坂から来て網干坂を上り、坂上を左折し、次を左折し、この坂上に来た覚えがある。ちょうど坂巡りをはじめた頃である。氷川坂を下り、右折し、猫又坂に向かったが、その途中、ずいぶん遠くに来たように思った。網干坂下から氷川坂下まで直線距離にすればきわめて短く、ぐるりと一周しただけであるが、それでも初めての所をかなり歩いたので、いつの間にかそのような錯覚に陥ってしまう。しかし、このような錯覚こそ、初めての土地に未知なる幻想をいだかせ、都市の迷路をますます複雑に感じさせる。

坂上から北へ向かうが、周囲の景色が初めて来たときとずいぶん違っているように感じた。確か右側は工事中だったような気がするが、低層の集合住宅になっている。このあたりは、尾張屋清七板江戸切絵図の東都駒込辺絵図(安政四年(1857))にあるように、江戸時代、氷川台といった。

やがて、四差路の交差点に近づくが、ここは直進(南北)方向に見て左にかなりずれている。このずれた四差路は、江戸時代から続くようで、御江戸大絵図(天保十四年(1843))には誇張して描かれ、東都駒込辺絵図には現在とほぼ同じ程度に描かれている。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京人 特集 東京は坂の町」④april 2007 no.238(都市出版)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)

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