東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

根津神社(2015)

2015年05月20日 | 散策

新坂(S坂) 根津神社 お化け階段下を直進し、右折し、次を左折すると、根津神社前の道に出る(現代地図)。

神社を右に見て進むと、やがて大きく右に曲がりながら上りとなるが、ここが新坂(S坂、権現坂)である。かなりの勾配で神社のわきを上る。

ちょっともどって神社の中に入ると、つつじ祭りでかなり混雑している。つつじが植えられたわきの小高い丘の方へ行く。そのまま進むと、やがて裏門から出てしまう。

根津神社

根津裏門坂

裏門から出た所の道の左右が根津裏門坂である。根津谷から本郷台地へ緩やかに上っている。

坂上の交差点を右折し、ちょっと歩くと、夏目漱石の旧居跡がある。

異人坂の記事で触れたが、17日に亡くなった作家の車谷長吉の住まいは、東京人の記事によれば、この近くで、根津駅に出るには、かならず根津権現の境内を通るとある。自宅を次のように書いている。

『漱石の「漱石山房」に倣って「蟲息[ちゅうそく]山房」と言う。昭和二年に建てられた、あばら屋である。平成十年夏、直木賞をもらって、銭がどっさり入って来たので、嫁はん(高橋順子)まかせに買うた家である。路地の奥で、家の前は自動車も走らず、東京の昔を思い出させてくれる、静けさだけが取柄の家である。』
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京人 特集 東京は坂の町」④april 2007 no.238(都市出版)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)

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