東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

藪下通り(2015)

2015年05月21日 | 散策

藪下通り" 藪下通り 根津神社裏の根津裏門坂のある通りを横断し、日本医科大学付属病院のわきに沿って延びる藪下通りに入る(現代地図)。

ここは、根津裏門坂の中腹と、団子坂上とを結ぶ幅狭の道で、裏門近くからしばらくほぼ平坦、坂上側もほぼ平坦、その途中、団子坂上に向けて上り勾配となっている。

途中、西側へ上る階段坂(解剖坂など)や、谷側の不忍通りの方へ続く小道があったり、傾斜地に雑木林が残っていたりして、けっこう変化に富んでいる。中ほどの坂のあたりで適度にうねっているのもよい。

小学校のグラウンドが見下ろせる所まで上ると、かなりの高低差を感じる。

藪下通り 藪下通り 裏門近くではさほどでないが、団子坂上近くになると、近くに鴎外記念館があるせいか、私のようなビジターらしき人が多くなってくる(現代地図)。

江戸切絵図御江戸大絵図にも見え、森鴎外の「青年」や永井荷風の「日和下駄」にも登場する。

本郷台地の東縁に沿った崖にできた、静かな散歩を楽しめる小径である。

道の細さ・静けさ・眺望・歴史などの点で東京随一の名散策路と云って過言ではない(と勝手に思っている)。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京人 特集 東京は坂の町」④april 2007 no.238(都市出版)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)

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