東京さまよい記

東京をあちこち彷徨う日々を、読書によるこころの彷徨いとともにつづります

お化け階段(2015)

2015年05月19日 | 坂道

お化け階段手前 お化け階段上 異人坂上を直進し、突き当たりを右折し進み、さらに右折すると、階段の上に出るが、ここがお化け階段である(現代地図)。

ここは、数年前まで、その名にふさわしい雰囲気が残っていたが、現在、階段が大きくりっぱに改修され、もうその名残りは名前にしかない。むかしの雰囲気を残さず、名だけ残った幽霊坂や暗闇坂などと同じである。

本郷台地のちょっと下段から根津谷の奥まった所に下る、かなり勾配のある階段である。この階段がいつころできたかは不明(明治~大正の頃だろうか)。

お化け階段上 お化け階段下 階段上側で左に曲がっていて、ちょっと下ると階段下が見えるが、その下側から年配者らしきご婦人がなにか大声でどなっている。私に向けられたものらしい。要するに、階段の上側の曲がった先も長いのかどうかを尋ねているようなので、短い旨を答える。階段を下りていくと、案内図のようなものを見ながらここがお化け階段などといいながら上っていく。

むこうもビジターで、しかも坂巡りをやっている様子である。こういった同好者に遭遇するのは、これまでの経験上、きわめて珍しい。この階段の上から先ほどの異人坂に行くのだろう。
(続く)

参考文献
横関英一「江戸の坂 東京の坂(全)」(ちくま学芸文庫)
山野勝「江戸の坂 東京・歴史散歩ガイド」(朝日新聞社)
岡崎清記「今昔 東京の坂」(日本交通公社)
石川悌二「江戸東京坂道辞典」(新人物往来社)
デジタル古地図シリーズ第一集【復刻】江戸切絵図(人文社)
デジタル古地図シリーズ第二集【復刻】三都 江戸・京・大坂(人文社)
「嘉永・慶応 江戸切絵図(尾張屋清七板)」(人文社)
市古夏生 鈴木健一 編「江戸切絵図集 新訂 江戸名所図会 別巻1」(ちくま学芸文庫)
「大江戸地図帳」(人文社)
「東京人 特集 東京は坂の町」④april 2007 no.238(都市出版)
「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩」(人文社)
「古地図・現代図で歩く戦前昭和東京散歩」(人文社)

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